【記事要約】
オーストリア、ウィーン医科大学の研究によると、遺伝子組み換え食品を用いた長期給餌試験の結果(訳注:遺伝子組み換え食品による)悪影響は確認されませんでした。
欧州委員会(European Committee)が3年前から資金を拠出している“GMSAFOODプロジェ
クト”の研究者たちは、バイオマーカーを用いる事で、GM作物が、健康へ悪影響をもたら
す可能性をより徹底的に調査する事を目標にしてきました。
現在まで、安全性が認可されたGM作物が、人間や動物に悪影響を及ぼすことを示した科学
的証拠はありません。しかし(訳註:EU域内の)市民の公開討論の場などでは、GM作物の
安全性認可手続きに欠陥があるのではないか、との議論が多く出ています。特にオースト
リアなどでは、GM作物の長期摂取リスクに関する研究が不十分だと指摘する事で、遺伝子
組み換え技術に批判的な自国の姿勢を正当化しています。
今回、オーストリア、ウィーン医科大学の研究者たちは、GM食品の長期的影響を調査しま
したが、悪影響を見つける事はできませんでした。
今回の試験では、GMトウモロコシ(MON810)及びGMインゲンマメを、ブタ、サケ、ネズミ
に給餌して、長期的なリスクの可能性が調査されました。一生涯を通じてGM作物が給餌さ
れた試験動物にも悪影響は確認されず、GM作物を給餌した試験動物の子孫(後世代)に関
する調査でも、一切の悪影響は確認されませんでした。