中国では1986年から遺伝子組み換え作物の研究が始まり、遺伝子組換え作物の研究開発を
積極的に推進してきました。現在商業栽培が許可されている遺伝子組み換え作物は、綿花、
パパイヤ、トマト、ポプラ、ピーマン、ペチュニアなどです。
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◇ 2012年 中国国内の遺伝子組み換え作物状況(1)
・パパイヤ(ウィルス抵抗性):
2007年から商業栽培されており、現在99%が遺伝子組み
換えパパイヤとなっています。栽培面積は、2010年から15%増加して現在5,300ヘクタール
です。
・Btワタ(害虫抵抗性):
1997年から最も栽培されている遺伝子組み換え作物です。その
面積はインド、アメリカに次いで世界第3位、また2011年にはBtワタの導入率は71.5%と、
過去最高を記録しました。増加傾向の背景には、導入後殺虫剤の約 80%、金額にして 1
ヘクタール当たり年間 1,200~1,500 元(1元15円として約18,000円~22,500円)が節約で
きるようになった、という収益増加があります。その結果農家の間での需要が高まり、19
99 年頃から大規模に栽培され始めました。
・Btイネ(害虫抵抗性):
現在、開発中です。世界一の米生産国で1億7,800万トンを生産、
今後の人口増加ににともない2030年までに2億3,500万トンの需要が見込まれているため、
商品化が急務とされています。
<補足>
中国における農業の特徴は、700 万人の小規模農業生産者(農地面積平均 0.5ヘクター
ル)を中心とする成長率の大きさで、2000年50万ヘクタールだった遺伝子組み換え作物栽
培面積は、現在約8倍の390万ヘクタールに至っています。また、アメリカ、アルゼンチン、
カナダ、オーストラリア、メキシコと並んで、遺伝子組み換え技術の「創始国」と呼ばれ
ており、遺伝子組み換え作物の技術力は、研究開発や圃場試験の段階において世界をリー
ドする水準にあります。
参考文献:
(1)ISAAA Briefs, No.43 p.95-96 (2012)
(2)農林水産省「中国における遺伝子組換え作物の導入と今後の見通し」(PDF)
(3)中国農業科学院植物保護研究所「中国農業遊学情報システム」(2010/09)