1月3日、オックスフォード大学で行われたThe Oxford Farming Conferenceにて、The God Speciesの著者で、反遺伝子組み換え(GM)活動で知られる環境活動家のMark Lynas氏は、これまで反GM活動に関わってきたが、GMテクノロジーは飢餓や環境対策の上で不可欠な技術であると謝罪しました。
同氏は陳謝の理由について、「真実の『科学』を発見したという単純な理由によるものであり、こうした経験を経て、より優れた環境保護運動家になれた、と思っています」と述べています。
Lynas氏はスピーチの中で、同氏がGM技術について誤解したまま科学的なレビューを経た論文等を確認することなく、反GM活動を行ってきたこと、実際に資料を確認したところGMに関する逸話は環境家の間の都市伝説(※訳者註)のようなものであると気づいたこと、実際にはGM作物は農薬を減らすこと、GM技術は大企業だけに利益があると考えていたが実際には農業に必要なコストや労力の削減等につながっており、商品価値があるため利用が広がっていること、試行錯誤の繰り返しでゲノム全体を動かす従来の品種改良に比べて、数個の遺伝子だけを動かすGM技術はより正確で安全であること、などを指摘しました。
また、2050年までに、耕地面積はほとんど変わらない中で、限られた水や肥料等で、約95億人もの人々の食料を生産しなければならない現実を考えたとき、環境保全型の持続可能な農業にGM技術は有用であり、むしろ活動の目的に照らして環境保護家がこの農業技術に反対する理由が分からないと述べています。
※広く口承される噂話のうち、現代発祥で根拠が曖昧・不明であるもの(広辞苑より)
2013年01月04日各掲載記事
New York Times: http://tinyurl.com/revkin-lynas
Los Angeles Times: http://tinyurl.com/LATimes-Lynas
Nature Conservancy: http://bit.ly/TXXgzL
Discover Magazine: http://tinyurl.com/Discover-Lynas
Fox News: http://tinyurl.com/FoxNews-Lynas
Keith Kloor/Bloomberg: http://bloom.bg/V4AYOS
Michael Specter/The New Yorker: http://nyr.kr/11azLJc
【参考】
オックスフォード大学でのMark Lynas氏発言要旨(英語)と動画