2013年4月23日火曜日

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物の栽培の動向(第9回 ボリビア)

南アメリカ大陸に位置するボリビアは小さな国ですが、大豆生産においては世界8位の国です。遺伝子組み換え大豆においては、RR®(ラウンドアップ・レディ)大豆が、2011年に910,000ヘクタール栽培されており、これは大豆の栽培総面積に対して92%に相当します。また、2008~2011年でRR大豆の栽培面積の成長率は約50%と、急速な拡大を示しています。政府からの奨励もない中、この様な拡大が見られたのは、RR大豆が従来の大豆よりも高収益が得られるからと考えられています。以下に費用と収益の比較表を示します。
また、あまり知られていませんが、ボリビアでの種子産業は組織化が進んでいるため、認証済みの種の使用が多く、2008年には認証済みの種が75%まで流通しています。従来どおり小規模農業者は大豆の種を自家採種していますが、近年GM種の利点から小規模農業者の間でも、認証済みの種が受け入れられる傾向にあります。
【RR大豆と従来大豆の費用と収益の比較(ヘクタール当り)】
項目 その他の大豆 RR大豆
収量(t/ha)
1.47 1.91
価格($/t)
409.32 398.59
収入($/ha)
600.26 780.83
経費($/ha)
 種
23.46 26.78
 農薬
41.53 32.25
 散布作業人件費
4.98 5.03
 その他の人件費
3.5 2.25
 その他の変動費
114.29 114.11
純利益
412.5 600.41
純利益差額
187.91(約18,415円)

 参考文献:
  1. ISAAA Briefs, No.44 p.138-140 (2012)
  2. AgBioForumI, A Case of Resistance: Herbicide-tolerant Soybeans in Bolivia, Paz et al