【記事要約】
中国農業科学院の科学者Dong Cao博士達は、小麦由来の耐塩性遺伝子TaNHX2をアグロバクテリウム・リゾゲネスを用いた遺伝子導入法によって、ダイズの毛状根に導入し、TaNHX2遺伝子の過剰発現が耐塩性に与える影響を調査しました。
塩ストレスを与えた所、TaNHX2遺伝子を導入した植物が高い耐塩性を示したのに対し、比較対照の非遺伝子組み換え作物は塩ストレスの影響で白化し、15日以内に枯死しました。研究者達は同様にアグロバクテリウム・ツメファシエンスを用いた導入法でTaNHX2遺伝子をダイズに導入し、TaNHX2遺伝子がもたらす耐塩性の機能を調査しました。TaNHX2遺伝子を導入した植物は従来のものに比べて耐塩性が改善され、一株あたりの植物バイオマス量や花数が増加した上、生存期間の延長、成長阻害の減少などを示した個体が確認されました。
これによりTaNHX2遺伝子がダイズの耐塩性を改善する事、またアグロバクテリウム・リゾゲネスを用いた遺伝子導入法がダイズの遺伝子機能を改善する新手法になりうる事が示されました。
2011年8月19日/ISAAA
OVEREXPRESSION OF TANHX2 ENHANCES SALT TOLERANCE OF TRANSGENIC SOYBEAN
http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/article/default.asp?ID=8310