【記事要約】
ベトナムの農務省副大臣のBui Ba Bong氏は、遺伝子組み換え作物の大規模栽培が、早ければ来年にもベトナム国内で始まる可能性を、8月17日のセミナーで発表しました。
Vinh Phuc省北部で行われた栽培試験では、遺伝子組み換えトウモロコシの単位面積あたりの収量が従来のトウモロコシと比較して30~40%高く、作物品質も良く、害虫の個体数が非常に減少した事が発表されました。ベトナムの専門家達は、遺伝子組み換えトウモロコシの利用によりベトナムの農業生産者の収入を大きく向上させることができ、殺虫剤の購入のための支出を大きく減少させることができると指摘しています。
この試験は冬作の終了まで継続され、その後遺伝子組み換えトウモロコシの安全性、品質評価が行われます。ベトナム全域での栽培が認可されるまでに国内4箇所の、ベトナムの典型的な生態系を有する地域での試験が行われる予定です。
ベトナムは毎年、平均して約30億ドル(2,310億円)を海外からの穀物輸入に費やしています。またベトナム国内の家畜飼料の価格は隣国のタイ、中国と比べて10~15%高い状況となっています。
ベトナム国内の穀物需要は、2020年までに5,000万トン、2050年までに8,000万トンへ達すると見通しです。一方で国内の農地面積は縮小傾向にあり、単位面積あたりの収量も、従来の作物としては最大レベルにまで改善されています。ベトナムの専門家は「作物収量をさらに改善する突破口として、遺伝子組み換え作物は唯一の解決法」と述べています。
2011年8月22日 / Viet Nam News
GM crops set for early start
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/Agriculture/214601/GM-crops-set-for-early-start.html