2011年10月25日火曜日

アルゼンチン:世界各地における保全耕起(不耕起、減耕起)栽培の成功例として

【記事要約】
アルゼンチンは、農作物の不耕起栽培(訳注:畑の土を耕起せずに種を播いて栽培する方法)に長い成功の歴史を有しています。これは特に1990年代半ば以降、ラウンドアップレディー(以下RR)品種のダイズ、トウモロコシが導入されてから、急速に広まりました。現在アルゼンチンの(訳注:RR品種のダイズ、トウモロコシ)栽培面積のほぼ100%で不耕起栽培、もしくは減耕起栽培が行われています。
1996~1997年には栽培面積がダイズ全体の1%に満たなかったRRダイズ品種ですが、現在ではアルゼンチンのダイズ総作付面積の99%で栽培されていると推定されています。
(訳注:RR品種の作物を用いた)不耕起栽培の普及により、アルゼンチンへもたらされて経済的利益は、農業生産者における生産コスト低減、植物育種/農業バイオテクノロジー業界からの国庫への納税増加、そして、なにより食品価格の低減による消費者メリットなど、これまでに合計で約340億ドル(2兆6,180億円)と推定されています。
加えて、雑草防除が容易になったことにより、植物の茎など残渣が農地表面に残されることで土中の水分、有機物の喪失が抑えられ、風による侵食(風食)も抑えることが出来るようになります。作物根の成長阻害の防止、表土の流亡防止と保護を通じて、土壌の成分も保持されています。

2011年8月18日/Farmers Weekly
The success of conservation tillage around the world
http://www.fwi.co.uk/Articles/2011/08/19/128474/The-success-of-conservation-tillage-around-the-world.htm