2011年10月25日火曜日

第6回:アフリカ、ブルキナファソにおける遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタの利用と実績

このコーナーでは、モンサント・カンパニーが注力する “持続可能な農業(Sustainable Agriculture)”への取り組みを、弊社の年次報告書 (United in Growth:2010年11月2日発行)よりご紹介しています。今号では、アフリカの小国、ブルキナファソにおける遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタの利用と、これによりもたらされたベネフィットをご紹介します。(United in Growth P.19)
http://www.monsanto.com/SiteCollectionDocuments/2010-csr-report.pdf

ブルキナファソは世界でも最も貧しい国のひとつで、200万の国民がワタ生産で生計を立てています。ワタの輸出は同国の輸出額の60%を占めていますが、害虫被害の頻発により、作物の90%が損害を受ける事もありました。遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタが導入されるまで、作物を守る手段は農薬しかありませんでした。
2003年、ブルキナファソ農業大臣の要請によりモンサント・カンパニーはチームを結成し、同国において遺伝子組み換え作物に関する規制の枠組み、スチュワードシップ確立の助言を行い、ブルキナファソ国立農業環境研究所(INERA)は、同国に適した遺伝子組み換えワタ品種の選抜試験に必要な技術試験を設計しました。
2008年、4,500人のワタ生産者が6,800箇所で害虫抵抗性ワタ品種を栽培し、2009年には11万5000ヘクタールのワタ農地で害虫抵抗性ワタが商業栽培されました。国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によると、害虫抵抗性ワタ品種の導入により、2009年には従来と比較して30%近い収穫量の増加と、50%以上の殺虫剤削減が達成され、1億ドル(約7,700億円)の経済的なベネフィットが達成できたと推定されています。
モンサント・カンパニーでは、優良な種子がより広く利用される事によって、世界的に食料が増産され、発展途上国の農業生産者の生活が改善されると同時に、生活者へもメリットをもたらすと考えています。

<「持続可能な農業」に関連する、最近のその他のトピック>
FAO(国連食糧農業機関)が10月6日に発表したレポートでは、世界の2011/2012年の穀物生産は前年に比べて約3%増の約23億トン/年になるものの、穀物全体の在庫率は年間消費量に対して21%前後という低水準が続くと予想しています。またFAOの直近の推定では、作物の不作、紛争、自然災害、食料価格の高騰などが原因で、世界の32カ国において援助が必要としています。

FAO: 世界の穀物生産は増加するも、需給は依然として逼迫を予想
World cereal markets expected to stay tight amid rising production 
http://www.fao.org/news/story/en/item/92544/icode/