【記事要約】
農業組織向け金融機関である、ラボ・バンク・インターナショナルの調査部門(FAR)が
発行したレポート“Can Corn Keep Up?” 「トウモロコシは(需要増加に)追いつける
か?」では、トウモロコシ単収増加速度が従来に比べ大きく減速する可能性が高く、2012
年の増加率はアメリカ農務省の試算を下回ると予測しています(訳者註:アメリカ農務省
は2011年1月のレポートで、2020年までトウモロコシ単収は平均で年間1.2%(2ブッシェル
/エーカー)ずつ増加し、2011、2012年の単収をそれぞれ162、164ブッシェル/エーカー、
2020年には180ブッシェル/エーカーになると見通していますが(1)、2010、2011年の単収
実績はそれぞれ152.8 ブッシェル/エーカー 147.2 ブッシェル/エーカーに留まってい
ます(2))。
同レポートでは、米国で生産性の低い農地で作付面積を増やしたり、輪作回数を減少させ
るといった対処だけでは、歴史的低水準にある現在の世界の穀物在庫を緩和するのに十分
な増加はないと予測しています。そして、現状の米国産トウモロコシの生産量増加では、
今後増加する世界のトウモロコシ需要増の50%程度しか満たせないとしています。
2012年3月14日/Farm Industry News
Report Finds Corn Yield Growth Slowing
http://farmindustrynews.com/corn-hybrids/report-finds-corn-yield-growth-slowing
<参考情報>>
(1) USDA Agricultural Projections to 2020 (Outlook Report No. (OCE-111) 106 pp,
February 2011 )
http://www.ers.usda.gov/Publications/OCE111/OCE111d.pdf
(2) USDA-NASS Crop Production
http://usda.mannlib.cornell.edu/MannUsda/viewDocumentInfo.do?documentID=1047
http://www.nass.usda.gov/Charts_and_Maps/Field_Crops/cornyld.asp