【記事要約】
世界では、ビタミンAの欠乏によって数百万人が命を失い、数千万人が失明などの疾病に苦しんでいます。これを解決するために(訳注:フィリピンの国際イネ研究所により)開発されたゴールデンライスは、規制認可プロセスの完了を除いて、直ぐにでも実用化できる段階にあります。しかし遺伝子組み換え技術への反対活動が影響しているため、いまだに実用化されていません。
ドイツミュンヘン工科大学、米国カリフォルニア大学の2人の農業経済学者が、ゴールデンライスへの反対活動によって失われた「価値(=健康な生活)」ついて試算したところ、2002年以降、インド一国だけで「障害調整生命年」が142万4,000、失われているとの結果になりました(訳注:障害調整生命年=障害、病気による早死によって失われた一人あたりの健康な生活年数×該当人数)。この数字にはビタミンA欠乏による死亡者だけでなく失明などの健康障害も含んでおり、この犠牲者の大多数は子供です。
2014年3月15日 / Scientific American (英語)
Golden Rice Opponents Should Be Held Accountable for Health Problems Linked to Vitamin A Deficiency