2011年12月21日水曜日

モンサント・ビーチェル‐ボーローグ国際奨学金プログラムの申込者募集のお知らせ

モンサント・カンパニー(米国)では、「持続可能な農業(Sustainable Agriculture)」の取り組みの一環として、イネやコムギ育種を志す学生を対象にした奨学金制度を創設しています。この奨学金は、194060年代に世界の穀物生産を倍増させた「緑の革命」の生みの親として世界的に著名なイネ、小麦育種家であるヘンリー・ビーチェル博士と、ノーマン・ボーローグ博士に敬意を表して創設されました。
モンサント・ビーチェル    ボーローグ国際奨学金プログラムは、以下の2点を目標としています。

  1. 農業分野における将来の指導者として力を発揮できる、優れたイネ、小麦育種家の育成支援 
  2. 特に発展途上国において公的研究機関が行っている重要なプロジェクト、ミッションを経験する機会を、若手研究者へ提供すること

2012年度の奨学金受付は、201221日まで募集しています。イネ育種、小麦育種分野において博士号取得を目指す学生であれば日本からもご応募いただけますので、興味をお持ちの方は下記URLをご参照の上、ご応募下さい。 
モンサント・ビーチェル    ボーローグ国際奨学金プログラム
http://www.monsanto.co.jp/responsibility/sustainable-ag/mbbisp-program/

第8回:ステアリドン酸オメガ-3ダイズ(SDAダイズ)

今号では、健康増進効果を持つ脂肪酸(ステアリドン酸:SDA)を含有するダイズをご紹介いたします。この遺伝子組み換えダイズは消費者の健康増進メリットを目的として開発されました。(United in Growth P.18)
http://www.monsanto.com/SiteCollectionDocuments/2010-csr-report.pdf

魚油等に含まれるオメガ-3脂肪酸(EPAやDHAなど)の摂取は、心血管系への健康増進効果が知られており、アメリカ心臓協会では、一日に500mgのオメガ-3脂肪酸を摂取する事を推奨しています。しかし世界の人口が増加する中、水産資源供給は減少しつつあり、世界的にオメガ-3を十分に摂取できない状況になりつつあります。
モンサント・カンパニーでは、人の体内でEPAやDHAに変換されるステアリドン酸(SDA)という脂肪酸を含有するダイズ品種を、遺伝子組み換え技術によって開発しています。このダイズを栽培する事で、オメガ-3脂肪酸を魚だけではなく畑(ダイズ)からも供給する事が可能となります。このダイズの栽培と利用は、消費者へ健康メリットを提供すると同時に、水産資源の枯渇を緩和できると、モンサント・カンパニーは考えています。

フランス最高裁判所と欧州司法裁判所、フランス国内でのGMトウモロコシ栽培禁止は、違法であると確認

【記事要約】
2008年に国内での遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ(MON810)の栽培を禁止したフランス政府の措置に関して、これを違法と判断した欧州司法裁判所を、フランス最高裁判所が支持すると発表しました。欧州司法裁判所とフランス最高裁判所は共に、フランス政府がGM作物による人体、環境に対するリスクに関し何ら科学的な根拠を示していない事を指摘した上で、栽培禁止措置は不当として、栽培禁止を覆す判断を出しました。
欧州委員会共同研究センター(JRC)の調査結果によると、(訳註:2007年までフランス国内で栽培され、2008年に禁止された)トウモロコシ品種は、害虫の発生が多い、フランスに隣接するスペインのサラゴサ州において、収穫量を平均で11.8%増加させ、農薬散布にかかるコストをヘクタールあたり20.04ユーロ(1ユーロ105円として2,100円)削減するなど、農業生産者の所得を1ヘクタール当たり122ユーロ(約12,800円)増加させました。この結果に基づき試算すると、2008年以降4年間に及ぶフランス政府の違法な栽培禁止措置により、フランスの農業生産者は4,000万ユーロ(約42億円)の潜在的な所得を失い、37万トン以上のトウモロコシ生産量が失われた事になります。
革新的農業技術の利用を禁止する事は、病害虫による収量のロス、公共、民間分野における研究開発への投資抑制など、社会的なコストを伴います。
(1) Joint Research Centre of the European Commission (2008). "Adoption and performance of the first GM crop introduced in EU agriculture: Bt maize in Spain.” Also published in Nature Biotechnology, April 2008.
http://ftp.jrc.es/EURdoc/JRC37046.pdf 
2011年11月28日/SEED QUEST
Highest courts in France and EU confirm France’s ban on GM crops is illegal
http://www.seedquest.com/news.php?type=news&id_article=22629&id_region=&id_category=1&id_crop

7. 国別栽培状況

弊社ホームページでは、知っているようで実はよく理解していない、「だけど、今さら人に聞くのも・・・」といった遺伝子組み換えの基礎知識をご案内しています。このコーナーでは、下記リンク先(弊社ホームページ内「資料室」)から、毎回トピックを紹介していきます。
○遺伝子組み換え作物基礎知識○
http://www.monsanto.co.jp/data/knowledge/index.html

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の報告によると、2010年に遺伝子組み換え作物の商業栽培を行った国は、前年から4カ国増えて、世界で29カ国となりました。アメリカや、カナダ、アルゼンチンなど、早くから遺伝子組み換え作物を栽培している国において継続して栽培面積が増加しているだけでなく、新たに遺伝子組み換え作物の商業栽培を始めた国もあります。どこの国で、どんな農作物が栽培されているのでしょう?下記のリンク先からは、国別の栽培状況や、先進国よりも途上国で遺伝子組み換え作物の栽培面積の伸びが大きい様子などを図やグラフでご覧いただけます。
http://www.monsanto.co.jp/data/countries.html

GMOワールドII(FOOCOM.NET内)

今号では、GMOワールドII(FOOCOM.NET内)をご紹介します。
GMOワールドIIは、「遺伝子組み換え作物・食品の国際動向について情報収集・分析を行っている著者が、一般の新聞ではほとんど取り上げられない国際情勢を紹介つつ、単純な善悪二元論では割り切れない遺伝子組み換え作物・食品の世界を考察」しています(GMOワールドII紹介文より)。遺伝子組み換え作物に関する海外の規制、表示制度、その他タイムリーな話題について活発な情報提供が行われています。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.foocom.net/CATEGORY/GMO2/

2011年11月15日火曜日

<特別コラム> TPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加交渉と、遺伝子組み換え(GM)作物

このところ、TPPの参加とGM作物、GM食品を関係付けた報道が多く見られます。この中で情報不足や誤解に基づく報道が多く見られる事から、今回このセクションではTPPとGM食品に関連するポイントを整理してご紹介します。


ポイント
  1. GM作物の食品安全性は法律に基づき科学的に安全性が評価され、安全性が認められた作物のみが流通しています。
  2. 各国政府が食の安全を確保するための権利は、WTO(世界貿易機関)でも認められています。このためTPP交渉へ参加することが、日本独自の食品安全性基準の緩和へ直接的に繋がるわけではありません。
  3. 日本のGM食品表示は、農作物の産地表示などと同じように消費者の「知る権利」の担保を目的としたもので、食品安全性を示したものではありません。ですから、食品の安全性と表示のルールは異なる議論です。

第7回:窒素肥料を有効に利用できる作物の開発

このコーナーでは、モンサント・カンパニーが注力する “持続可能な農業(Sustainable Agriculture)”への取り組みを、弊社の年次報告書 (United in Growth:2010年11月2日発行)よりご紹介しています。今号では、(United in Growth P.19)
http://www.monsanto.com/SiteCollectionDocuments/2010-csr-report.pdf

農作物を育てるには水や土だけでなく、肥料や農薬など様々な農業生産資材(資源)が必要です。モンサント・カンパニーでは、第2回でご紹介した乾燥耐性作物以外にも、農業生産に必要な資源量を抑えつつ、収量を増加させるための研究開発を進めています。そのひとつが窒素有効利用作物です。
モンサント・カンパニーでは、遺伝子組み換え技術を用いることによって「通常の窒素条件下での作物収量を改善し、低窒素状況下で収量の安定化を図ることができる」、「作物の窒素肥料の利用効率を向上させることによって、作物に吸収されず土壌に残り、河川へ流入し環境を汚染する窒素成分を削減できる」作物の開発を進めています。
窒素を含む肥料原料(窒素・リン酸・カリなど)は、世界的な人口増加や中国・インドにおける穀物需要増加から、需給動向が年々厳しく、価格も上昇してきています(下記リンク先参照)。
モンサント・カンパニーは、遺伝子組み換え技術を用いた品種改良により、肥料使用量を削減しても収量を維持させることで、「持続可能な農業(Sustainable Agriculture)」の実現に貢献できると考えています。

<参考>
農業共同組合新聞 春肥の価格4.3%値上げ - JA全農
http://www.jacom.or.jp/news/2011/10/news111031-15286.php
肥料をめぐる情勢について(農林水産省作成資料:平成21年3月)
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/nenyu_koutou/n_kento/pdf/siryo2.pdf

スペイン:GM作物の利用割合が、過去最高に達する

【記事要約】
2011年9月時点で、スペインにおける害虫抵抗性(Bt)トウモロコシの栽培面積は97,326ヘクタール、同国内のトウモコシ栽培面積割合にして26.5%と、過去最高の水準に達しました。
内訳を見ると、アラゴン州が41,368ヘクタール、カタロニア州とエクストレマドゥール州がそれぞれ29,632ヘクタール、10,567ヘクタールでした。これまで同様、2011年もスペインの農業生産者は、GMトウモロコシを用いることで生産量を増加させ、農業生産に必要な資源投入量を減少させながら収量を上げる事が可能となりました。

2011年9月23日/ ISAAA
ADOPTION OF GM CROPS IN SPAIN REACHES RECORD HIGH
http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/article/default.asp?id=8501

ポルトガル:2011年GMトウモロコシの栽培面積は、60%増加

【記事要約】
ポルトガル農業・地域開発省が発表した公式データによると、ポルトガル国内の害虫抵抗性(Bt)トウモロコシの栽培面積は、2011には7,843ヘクタールと、2010年の4,868ヘクタールに比較して60%増加しました。この増加は、ポルトガルの農業生産者がGM作物の利用が、持続的な農業生産や、ポルトガル農業の国際競争力の確保において重要と確信したことを示しています。ポルトガルの農業生産者は、1998年にEU域内で栽培が認められて以来、GM作物の利用によって利益を得ています。

2011年11月21日/ ISAAA
GM CROP ADOPTION IN PORTUGAL INCREASES BY 60% IN 2011
http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/article/default.asp?ID=8658

英国:飢餓が、イギリスのGM小麦の認可に関する議論の呼び水に

【記事要約】
アメリカ合衆国小麦連合会の政策担当部長であるShannon Schlecht氏は「飢餓がGM小麦に関する議論の呼び水となった」と述べています。 Schlecht氏は、ロンドンで開かれた会議の席上、先月イギリス国内でGM小麦の圃場試験が認可された事はヨーロッパでGM小麦実用化にむけた「大きな前進」としています。
国際的非営利活動法人であるOxfam International によると、2010年以降高騰している食料価格は1,000万の人々を困窮させ、世界の飢餓人口は再び10億人に達する可能性があります。また国連食糧農業機関(FAO)と国際連合(UN)によると、2050年までに世界人口が90億人へと増加する中、現在より70%の食料増産が成し遂げられなければなりません。
Schlecht氏は、「バイオテクノロジーや遺伝子組み換え作物に関する議論は、よりオープンになりつつある」とし、「私達は世界の食料需要を満たす事ができる技術へ目を向ける必要があり、バイオテクノロジーはこれを達成するための一つの要素」と述べています。
国際連合によると、この10年間で小麦価格は80%上昇、トウモロコシ価格は74%上昇し、食品価格は2倍以上になりました。
アフリカの数カ国の農業生産者は既にGM作物の利用を始めている他、食用穀物の生産を改善できるGM作物に興味を持っている国もあります。
1996年、GM作物の栽培は6カ国でが開始しましたが、2010年時点で、GM作物を商業栽培している国は29カ国にまで増加しています。

2011年10月6日/ Bloomberg
Hunger Opens Discussions on Biotech Wheat as U.K. Approves Trial
http://www.bloomberg.com/news/2011-10-06/hunger-opens-discussions-on-biotech-wheat-as-u-k-approves-trial.html

6. 世界での作付面積

弊社ホームページでは、知っているようで実はよく理解していない、「だけど、今さら人に聞くのも・・・」といった遺伝子組み換えの基礎知識をご案内しています。このコーナーでは、下記リンク先(弊社ホームページ内「資料室」)から、毎回トピックを紹介していきます。
○遺伝子組み換え作物基礎知識○
http://www.monsanto.co.jp/data/knowledge/index.html

遺伝子組み換え作物の栽培面積は、大規模商業栽培が開始された1996年から毎年増加し、2010年には1億4,800万ヘクタールに伸びています。2010年の遺伝子組み換え作物の栽培総面積の48%は発展途上国におけるもので、栽培面積の増加率は発展途上国が先進国よりも高く、2015年までには発展途上国における栽培面積が、先進国の栽培面積を超えると推測されています。2011年2月に発表された国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の報告によると、1996~2010年の15年間の栽培面積累計は10億ヘクタールに達しました。(さらに詳しくは下記のサイトをご覧ください)
http://www.monsanto.co.jp/data/plantarea.html

<イベントのお知らせ>「高校生のディベートによる遺伝子組換え農作物に関する議論」のご案内

独立行政法人科学技術振興機構(JST) が主催する「サイエンスアゴラ2011」において、全国から参加した高校生により、遺伝子組換え農作物の利用の得失について、ディベートが行われる予定です。一般からの参加、聴衆も可能ですので、興味のある方は是非、お誘いあわせの上、ご参加下さい。以下、「サイエンスアゴラ2011」のHPからの転載です。

「高校生のディベートによる遺伝子組換え農作物に関する議論」
主催:食のコミュニケーション円卓会議
共催等:[協力]筑波大学、(独)農業生物資源研究所
日時 :11/20(日)10:30-12:00
会場 :日本科学未来館 7階 会議室3
内容 :
遺伝子組換え農作物の利用の得失について高校生がディベートを行います。そのディベートの終了後、会場からの意見や疑問に高校生を含む参加者が意見交換をして共に考えることで、ディベートに参加した高校生のみならず、会場に来られた方々と遺伝子組換え農作物の利用に関する科学的なコミュニケーションを進めます。
http://www.scienceagora.org/scienceagora/agora2011/program/Mb-58.html

2011年10月25日火曜日

お知らせ

2011年8月31日、遺伝子組み換えパパイヤ(品種:レインボー)の表示に関する消費者庁の告示が行われ、同日付の官報に掲載されました。これにより、この遺伝子組み換えパパイヤは、年内にも安全性に関する認可が終了し、日本国内へ輸入できる様になると考えられます。遺伝子組み換えパパイヤレインボー品種は、ハワイの産地がウイルスによる大規模な被害に見舞われたことを受けて開発され、ハワイをパパイヤ産地としてよみがえらせた品種です。日本へ輸入されると、遺伝子組み換え作物のうち、主に生食用に供されるものとしては国内初の例となります(Food Watch Japan HPに、一部加筆修正)。

詳しくはこちら Food Watch Japan :遺伝子組み換えパパイヤ“輸入解禁”へ
http://www.foodwatch.jp/column/sienrls/rpt00018_110831.php

弊社セミナー 「モンサント・カンパニーの遺伝子組み換え機能性大豆~オメガ-3脂肪酸の健康効果とそれを産生するダイズの食品への利用~ 」(10月4日実施) のご報告

去る2011年10月4日(火)、弊社セミナー「モンサント・カンパニーの遺伝子組み換え機能性ダイズ ~オメガ-3脂肪酸の健康効果とそれを産生するダイズの食品への利用~」を、東京・八重洲にて開催いたしました。
当日は報道関係者、食品メーカー、流通業など幅広い分野から多数ご参加いただきました。セミナーでは、オメガ-3脂肪酸の心血管系疾患の予防効果などの健康ベネフィット、および遺伝子組み換え技術を用いて種子中にオメガ-3脂肪酸の一つであるステアリドン酸(SDA)を産生させたSDAダイズからとったSDAダイズ油の健康ベネフィット、市場性、嗜好性などについて、日本の専門家および来日したモンサント・カンパニーの担当者から紹介いたしました。
セミナー当日資料、講師略歴等については、以下のURLからご覧いただけます。
http://www.monsanto.co.jp/news/seminar/index.html

第6回:アフリカ、ブルキナファソにおける遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタの利用と実績

このコーナーでは、モンサント・カンパニーが注力する “持続可能な農業(Sustainable Agriculture)”への取り組みを、弊社の年次報告書 (United in Growth:2010年11月2日発行)よりご紹介しています。今号では、アフリカの小国、ブルキナファソにおける遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタの利用と、これによりもたらされたベネフィットをご紹介します。(United in Growth P.19)
http://www.monsanto.com/SiteCollectionDocuments/2010-csr-report.pdf

ブルキナファソは世界でも最も貧しい国のひとつで、200万の国民がワタ生産で生計を立てています。ワタの輸出は同国の輸出額の60%を占めていますが、害虫被害の頻発により、作物の90%が損害を受ける事もありました。遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタが導入されるまで、作物を守る手段は農薬しかありませんでした。
2003年、ブルキナファソ農業大臣の要請によりモンサント・カンパニーはチームを結成し、同国において遺伝子組み換え作物に関する規制の枠組み、スチュワードシップ確立の助言を行い、ブルキナファソ国立農業環境研究所(INERA)は、同国に適した遺伝子組み換えワタ品種の選抜試験に必要な技術試験を設計しました。
2008年、4,500人のワタ生産者が6,800箇所で害虫抵抗性ワタ品種を栽培し、2009年には11万5000ヘクタールのワタ農地で害虫抵抗性ワタが商業栽培されました。国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によると、害虫抵抗性ワタ品種の導入により、2009年には従来と比較して30%近い収穫量の増加と、50%以上の殺虫剤削減が達成され、1億ドル(約7,700億円)の経済的なベネフィットが達成できたと推定されています。
モンサント・カンパニーでは、優良な種子がより広く利用される事によって、世界的に食料が増産され、発展途上国の農業生産者の生活が改善されると同時に、生活者へもメリットをもたらすと考えています。

<「持続可能な農業」に関連する、最近のその他のトピック>
FAO(国連食糧農業機関)が10月6日に発表したレポートでは、世界の2011/2012年の穀物生産は前年に比べて約3%増の約23億トン/年になるものの、穀物全体の在庫率は年間消費量に対して21%前後という低水準が続くと予想しています。またFAOの直近の推定では、作物の不作、紛争、自然災害、食料価格の高騰などが原因で、世界の32カ国において援助が必要としています。

FAO: 世界の穀物生産は増加するも、需給は依然として逼迫を予想
World cereal markets expected to stay tight amid rising production 
http://www.fao.org/news/story/en/item/92544/icode/

アルゼンチン:世界各地における保全耕起(不耕起、減耕起)栽培の成功例として

【記事要約】
アルゼンチンは、農作物の不耕起栽培(訳注:畑の土を耕起せずに種を播いて栽培する方法)に長い成功の歴史を有しています。これは特に1990年代半ば以降、ラウンドアップレディー(以下RR)品種のダイズ、トウモロコシが導入されてから、急速に広まりました。現在アルゼンチンの(訳注:RR品種のダイズ、トウモロコシ)栽培面積のほぼ100%で不耕起栽培、もしくは減耕起栽培が行われています。
1996~1997年には栽培面積がダイズ全体の1%に満たなかったRRダイズ品種ですが、現在ではアルゼンチンのダイズ総作付面積の99%で栽培されていると推定されています。
(訳注:RR品種の作物を用いた)不耕起栽培の普及により、アルゼンチンへもたらされて経済的利益は、農業生産者における生産コスト低減、植物育種/農業バイオテクノロジー業界からの国庫への納税増加、そして、なにより食品価格の低減による消費者メリットなど、これまでに合計で約340億ドル(2兆6,180億円)と推定されています。
加えて、雑草防除が容易になったことにより、植物の茎など残渣が農地表面に残されることで土中の水分、有機物の喪失が抑えられ、風による侵食(風食)も抑えることが出来るようになります。作物根の成長阻害の防止、表土の流亡防止と保護を通じて、土壌の成分も保持されています。

2011年8月18日/Farmers Weekly
The success of conservation tillage around the world
http://www.fwi.co.uk/Articles/2011/08/19/128474/The-success-of-conservation-tillage-around-the-world.htm

ベトナム:遺伝子組み換え作物の栽培を、早期開始へ

【記事要約】
ベトナムの農務省副大臣のBui Ba Bong氏は、遺伝子組み換え作物の大規模栽培が、早ければ来年にもベトナム国内で始まる可能性を、8月17日のセミナーで発表しました。
Vinh Phuc省北部で行われた栽培試験では、遺伝子組み換えトウモロコシの単位面積あたりの収量が従来のトウモロコシと比較して30~40%高く、作物品質も良く、害虫の個体数が非常に減少した事が発表されました。ベトナムの専門家達は、遺伝子組み換えトウモロコシの利用によりベトナムの農業生産者の収入を大きく向上させることができ、殺虫剤の購入のための支出を大きく減少させることができると指摘しています。
この試験は冬作の終了まで継続され、その後遺伝子組み換えトウモロコシの安全性、品質評価が行われます。ベトナム全域での栽培が認可されるまでに国内4箇所の、ベトナムの典型的な生態系を有する地域での試験が行われる予定です。
ベトナムは毎年、平均して約30億ドル(2,310億円)を海外からの穀物輸入に費やしています。またベトナム国内の家畜飼料の価格は隣国のタイ、中国と比べて10~15%高い状況となっています。
ベトナム国内の穀物需要は、2020年までに5,000万トン、2050年までに8,000万トンへ達すると見通しです。一方で国内の農地面積は縮小傾向にあり、単位面積あたりの収量も、従来の作物としては最大レベルにまで改善されています。ベトナムの専門家は「作物収量をさらに改善する突破口として、遺伝子組み換え作物は唯一の解決法」と述べています。

2011年8月22日 / Viet Nam News
GM crops set for early start
http://vietnamnews.vnagency.com.vn/Agriculture/214601/GM-crops-set-for-early-start.html

中国:ダイズの耐塩性を強化させる遺伝子組み換え技術

【記事要約】
中国農業科学院の科学者Dong Cao博士達は、小麦由来の耐塩性遺伝子TaNHX2をアグロバクテリウム・リゾゲネスを用いた遺伝子導入法によって、ダイズの毛状根に導入し、TaNHX2遺伝子の過剰発現が耐塩性に与える影響を調査しました。
塩ストレスを与えた所、TaNHX2遺伝子を導入した植物が高い耐塩性を示したのに対し、比較対照の非遺伝子組み換え作物は塩ストレスの影響で白化し、15日以内に枯死しました。研究者達は同様にアグロバクテリウム・ツメファシエンスを用いた導入法でTaNHX2遺伝子をダイズに導入し、TaNHX2遺伝子がもたらす耐塩性の機能を調査しました。TaNHX2遺伝子を導入した植物は従来のものに比べて耐塩性が改善され、一株あたりの植物バイオマス量や花数が増加した上、生存期間の延長、成長阻害の減少などを示した個体が確認されました。
これによりTaNHX2遺伝子がダイズの耐塩性を改善する事、またアグロバクテリウム・リゾゲネスを用いた遺伝子導入法がダイズの遺伝子機能を改善する新手法になりうる事が示されました。

2011年8月19日/ISAAA
OVEREXPRESSION OF TANHX2 ENHANCES SALT TOLERANCE OF TRANSGENIC SOYBEAN
http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/article/default.asp?ID=8310

5. 遺伝子組み換え作物の年表

弊社ホームページでは、知っているようで実はよく理解していない、「だけど、今さら人に聞くのも・・・」といった遺伝子組み換えの基礎知識をご案内しています。このコーナーでは、下記リンク先(弊社ホームページ内「資料室」)から、毎回トピックを紹介していきます。
○遺伝子組み換え作物基礎知識○
http://www.monsanto.co.jp/data/knowledge/index.html

5. 遺伝子組み換え作物の年表
「遺伝子組み換え作物の開発」と言うと、最近始まったことと思われる方もいるかもしれません。しかし、その歴史を見てみると学生時代に習った「メンデルの法則」の発見や、「DNA二重らせん構造の解明」まで遡ることができます。もちろん、それ以前にも人間は目的の性質を持つ作物を作るために違う性質を持ったものを交配したり、突然変異などによって誕生した品種との交配を行ってきましたが、偶然に頼ることが大きかった従来の品種改良から、遺伝子のメカニズムが解明されたことで、遺伝子の働きを直接品種改良に応用することが可能となりました。メンデルの法則の発見から始まる遺伝子組み換え作物の開発は、その後はどのような道筋をたどって、現在に至ったのでしょうか?下記のリンク先から遺伝子組み換え作物の開発から実用化までの歴史を、日本での動きとあわせてご覧いただけます。
http://www.monsanto.co.jp/data/chronology.html

食品の安全性や報道に関する、サイトのご紹介

今号では「特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構(ILSI Japan)」をご紹介いたします。
ILSI は、科学的な視点で、健康・栄養・安全・環境に関わる問題の解決および正しい理解を目指すとともに、健康・栄養・安全・環境に関連する科学研究の実施・支援を行い、その成果を学術シンポジウムや出版物を通じて全世界に公表しています。
最近では特に「肥満」「食品バイオテクノロジー」「機能性食品」「食品安全・リスクアセスメント」の4つに注力して取り組み、ILSIは非政府機関(NGO)として世界保健機構(WHO)や国連食料農業機関(FAO)とも密接な関係にあり、FAOに対しては特別アドバイザーの立場にあります。
遺伝子組み換え技術に関する最近の発行物としては「遺伝子組換え食品を理解するⅡ」をWebに公開し、遺伝子組み換え技術について持たれがちな様々な誤解(食品安全性や、生物多様性への影響、抵抗性雑草等)に関し、科学的な見解を公表しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

特定非営利活動法人 国際生命科学研究機構(ILSI Japan)
http://www.ilsijapan.org/index.html

遺伝子組換え食品を理解するⅡ
http://www.ilsijapan.org/Bio2010/rikaisuru2-2.pdf