2012年9月7日金曜日

モンサント・カンパニー、2011年 企業の社会的責任(CSR)及びサステナビリティレポートを発表

モンサント・カンパニーは、「2011年の企業の社会的責任(CSR)およびサステナビリティ報告書(Corporate Social Responsibility and Sustainability Report)」を発表しました。この報告書は、投入資源を削減しつつ、単位面積当たりの作物収量を増加し、人々の生活を向上するため努力している世界中の小規模・大規模農業生産者のニーズを支えるモンサント・カンパニーの取り組みの進捗状況、及び課題を詳しく記述したものです。具体的には、弊社のビジネス展開に加えて、2050年に人口が90億人へ増加すると予測される中、世界の食糧需要を満たすために、農業生産上の問題解決に向けて弊社がパートナーとどのように協力しているかを重点的に取り上げています。

このCSR報告書のサマリーは、弊社ホームページにて日本語訳をご覧いただけます。 http://www.monsanto.co.jp/news/release/120806.html

また、本報告書の全文またはその要約は以下からご覧いただけます。(英語) http://www.monsanto.com/sustainabilityreport

モンサント・カンパニーと遺伝子組み換え作物について「よくある質問QA」

 モンサント・カンパニーや遺伝子組み換え作物について、よくあるご質問、また報道やインターネット上などで誤解に基づく情報が多いものについて、分かりやすく解説する新コーナー「よくある質問QA」を開設し、ご好評をいただいております。遺伝子組み換え技術の基礎知識、安全性、メリット、利用・普及状況、モンサントのビジネスなどについて、項目別にコンパクトにまとまった解説がご覧いただけます。ぜひご利用ください。

【例】

  • 遺伝子組み換え作物は人工的な作物ではないのですか?
  • 日本での商業的栽培は禁止されているのですか? 
  • ターミネーター種子を販売しているのですか? 


こちらからご覧いただけます。
http://www.monsanto.co.jp/question/

国連・OECD:収量増加率の低下に対処するため、遺伝子組み換え作物を支持

【記事要約】
世界の農業生産の伸び率は、ここ数十年のあいだ年率2%で推移してきましたが、利用できる肥料、水、農地などの制約が増大しているため、次の十年には伸び率が1.7%に低下する見込みです。国連(UN)と経済協力開発機構(OECD)は、減速傾向にある収量の増加率を上げる手段として遺伝子組み換え技術を利用することを支持する共同声明を発表しました。この声明では、最近、最も急速に普及した農業技術である遺伝子組み換え技術を採用する農業生産者が、持続可能な農業生産性向上を実現するであろうと述べています。 また、遺伝子組み換え作物のメリットとして、投入資源(訳注:水、肥料など)の削減、収量と作物生産の改善などに寄与する事で「農業生産者の支出を抑制し、収入を増加」できるとした上で、「ビタミン含有強化など消費者に直接メリットのある次世代遺伝子組み換え作物も期待される」と述べています。

2012年7月11日 / Agrimoney
UN, OECD back GM crops, to counter yield slowdown
http://www.agrimoney.com/news/un-oecd-back-gm-crops-to-counter-yield-slowdown--4741.html 

OECD-FAO 共同声明原文(英語)
OECD-FAO Agricultural Outlook 2012-2021 (上記新聞記事に該当する記述はP.76)
http://www.keepeek.com/Digital-Asset-Management/oecd/agriculture-and-food/oecd-fao-agricultural-outlook-2012_agr_outlook-2012-en

英国:3分の2が遺伝子組み換え作物試験を「支持する」へ劇的な変化

【記事要約】
The Independent紙において公開された世論調査の結果、遺伝子組み換え作物の栽培試験に対して調査対象の3分の2が「支持する」と回答し、英国世論が肯定的な変化を示しました。農業生産者が農薬の使用量を削減できる可能性を持つ遺伝子組み換え作物の栽培試験を政府が推進するべきかどうかを調査したところ、64%が「賛成」、27%が「反対」、9%が「わからない」と回答しました。また、今回の調査結果では、性別によって回答に顕著な差があることがわかりました。男性よりも女性の方が栽培試験を警戒する傾向にあり、一方で男性は70%が「試験を推進するべきだ」と回答し、女性は58%にとどまりました。なお、世代や社会的立場、地域による差はほとんどありませんでした。

2012年7月25日 / The Independent (London)
Dramatic Change As Two-Thirds Now Support GM Crop Testing
http://www.independent.co.uk/news/uk/politics/dramatic-change-as-twothirds-now-support-gm-crop-testing-7973432.html

英国:遺伝子組み換え作物の長期的給餌試験の結果、悪影響はなし

【記事要約】
英国ノッティンガム大学が行なった長期(90日から2年間)の動物実験において、遺伝子組み換え作物を含む飼料は、遺伝子組み換え作物を含まない飼料と栄養学的に同等であり、実験動物に悪影響を与えないことを示しました。この研究では、遺伝子組み換え品種のトウモロコシ、ジャガイモ、ダイズ、コメ、ライ麦を飼料として用い、家畜の健康に関するデータを精査しています。

この報告書では、実施された24の動物実験すべてにおいて、実験動物への悪影響は確認されず、調査項目中に統計的な有意差はありませんでした。また、OECDのガイドラインに準じた90日の長期給餌試験は、遺伝子組み換え作物が飼料として動物に与える影響を評価するのに妥当であるとしています。

2012年7月19日 / The Poultry Site News
 No Long-Term Effects of Feeding GM Diets
http://www.thepoultrysite.com/poultrynews/26296/no-longterm-effects-of-feeding-gm-diets

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物栽培の動向 第四回:アルゼンチン (下)

前回に引き続き、アルゼンチンにおける遺伝子組み換え作物栽培の現状をお伝えします。今回は遺伝子組み換え作物の導入以来15年間(1996-2011年)でアルゼンチンが得た経済的ベネフィットについてご紹介します。

◇遺伝子組み換え作物の導入による経済的ベネフィット

遺伝子組み換え作物の導入以来15年間にアルゼンチンが得た経済的利益は723億USドル(1ドル=80円換算で5兆7,840億円)に達します(1)。その内訳は以下の通りです。
  • 遺伝子組み換え大豆(除草剤耐性):導入によってもたらされた経済的利益は、全体で651億USドル(5兆2,080億円)です。そのうち72.3%は農業生産者に、21.3%は課税として政府に、6.5%は農業技術(種子・除草剤)の提供者に還元されています。
  • 遺伝子組み換えトウモロコシ(害虫抵抗性・除草剤耐性の掛け合わせ品種):導入によってもたらされた経済的利益は、全体で53億USドル(4,240億円)です。そのうち68.2%は農業生産者に、11.4%は課税として政府に、20.4%は農業技術(主に種子)の提供者に還元されています。
  • 遺伝子組み換えワタ(害虫抵抗性・除草剤耐性の掛け合わせ品種):導入によってもたらされた経済的利益は、全体で18億USドル(1,440億円)です。そのうち96%は農業生産者に、4%は農業技術(種子・除草剤)の提供者に還元されています。
  • 上記の通り、アルゼンチンでは遺伝子組み換え作物導入から15年間で723億USドルの経済的利益が達成されました。その経済的利益の72.6%という大きな割合が農業生産者へ還元され、農業生産者の収益改善に大きく寄与している事が分かります。なお、国や技術提供者にも経済的利益が分配されていますが、技術提供者の経済的利益は小さいものでした。 

◇今後の遺伝子組み換え作物の栽培について

今後アルゼンチンでは、遺伝子組み換え大豆の掛け合わせ品種(害虫抵抗性+除草剤耐性)や、乾燥耐性小麦の利用を目指しています。それぞれの潜在的な利益をシミュレーションした結果、来季からこれらを利用できると仮定した場合で、次の十年の間に大豆は91億~260億USドル(7,280億~2兆800億円)の経済的利益、小麦は5.2億~19億USドル(416億~1,520億円)の経済的利益になることが試算されています(1)。


(1) ISAAA Briefs, pp.45-51 (2012)
(2) Trigo EJ. Fifteen Years of Genetically Modified Crops in Argentine Agriculture (2011)


 (次回は、インドにおける遺伝子組み換え作物栽培の動向について報告いたします。)