2012年8月3日金曜日

遺伝子組み換え作物見学会のお知らせ

日本モンサント株式会社では、7月下旬から8月下旬にかけて、毎年恒例の遺伝子組み換え作物の見学会を弊社研究農場(茨城県稲敷郡河内町)で実施いたします。

遺伝子組み換え作物は日本の食生活に欠かせないものになっていますが、日本国内での商業栽培は行われていないため、実際に栽培されている作物を見る機会はほとんどない状態です。

見学会では、世界各地で広く栽培され、国内でも安全性の認可を取得し、穀物として輸入・利用されている遺伝子組み換え大豆とトウモロコシが実際に栽培されている様子をご覧いただけます。この機会に是非、遺伝子組み換え作物の利点を目で見て、肌で感じていただければと思います。

お申込み方法、詳細は、弊社ホームページをご覧ください。
2012年度 遺伝子組み換え作物圃場見学会のご案内 http://www.monsanto.co.jp/biotech/info/experiment/120613.html

モンサント・カンパニーと遺伝子組み換え作物について「よくある質問QA」

 モンサント・カンパニーや遺伝子組み換え作物について、よくあるご質問、また報道やネット上などで誤解に基づく情報が多いものについて、分かりやすく解説する新コーナー「よくある質問QA」を開設し、ご好評をいただいております。遺伝子組み換え技術の基礎知識、安全性、メリット、利用・普及状況、モンサントのビジネスなどについて、項目別にコンパクトにまとまった解説がご覧いただけます。ぜひご利用ください。

【例】


 こちらからご覧いただけます。
よくある質問QA
http://www.monsanto.co.jp/question/

ニュースリリース USDA(米国農務省) 2012年の米国内農作物作付け状況に関する発表

USDAのリリース(2012年6月29日)から

USDAは6月29日、2012年の米国内農作物作付け状況およびトウモロコシ・大豆・ワタの遺伝子組み換え品種に関する作付け状況について発表を行いました。ワタでは遺伝子組み換え品種の割合が4%増加しました。また、トウモロコシ・ワタではスタック品種(掛け合わせ品種)の伸びが堅調です。

 ◇2012年 米国のトウモロコシ・大豆・ワタ作付け面積と遺伝子組み換え品種の割合

  • トウモロコシの作付け面積合計は、約3,901万ヘクタール (前年比5%増)

    そのうち遺伝子組み換え品種が占める割合は、88% (前年と変わらず)
  • 大豆の作付面積合計は、約3,080万ヘクタール (前年比1%減)

    そのうち遺伝子組み換え品種が占める割合は、93% (前年比 1%減)
  • ワタの作付け面積合計は、約510万ヘクタール (前年比12%減)

    そのうち遺伝子組み換え品種が占める割合は、94% (前年比 4%増)


 詳細は、弊社ホームページのニュースリリースをご覧ください。
http://www.monsanto.co.jp/news/release/120717.html  
USDAのレポート(英文)はこちらでご覧になれます。
http://usda.mannlib.cornell.edu/MannUsda/viewDocumentInfo.do?documentID=1000

EU:食品原料における未承認GM作物の微量混入を容認へ

【記事要約】
欧州委員会は、輸入穀物に含まれる未承認GM作物について0.1%までの混入を容認する法案を年度末の成立を目指して提出する予定です。昨年、欧州委員会は飼料用途で輸入される穀物に限って、未承認GM作物原料の混入を0.1%まで容認する事を決定していましたが、今回の法案は食品用途の穀物にも適用するものです。欧州委員会は、世界的な穀物流通の中で、EUへ輸入されるすべての食料・飼料に対してGM作物の混入を防ぐことは非現実的であることを理由に挙げています。ドイツの農務大臣Ilse Aigner氏は、この法案について、「未承認GMOのゼロトレランス政策を撤廃する可能性のある法案には反対を表明する」と発言していますが、輸入業者や欧州の食品製造業者は、国際的な供給網の中でEUへの輸入穀物に未承認のGMOが含まれないことを保証することがますます困難になっているため、この規制緩和は輸入食品への混乱を避けるためには必要であると話しています。

 2012年6月11日 / Reuters
EU Plans To Let Traces Of Unapproved GMOs In Food
http://in.reuters.com/article/2012/06/11/eu-gmo-food-idINL5E8HB9Q320120611

中国:Btワタの利用が益虫の増加に貢献

【記事要約】
中国の研究で、Btワタの栽培が農薬使用量の削減につながり、さらに益虫の増加を促すことが科学誌「Nature」で報告されました。研究の結果、Cotton Bollworm殺虫剤の年間散布回数は最多で11回(1993年)でしたが、Btワタを導入することで3回(2010年)にまで削減できました。また、Btワタの栽培によって近隣のダイズ、落花生、とうもろこしの畑に生息する、アブラムシを捕食するクモやカゲロウの生存率が高まり、結果的に近隣の畑の害虫防除にも役立ったことが判明しました。これらの結果は、20年におよぶ調査によって明らかにされたものです。

2012年6月13日 / Business World
Gene-Modified Cotton Aids Pest-Killing Insects, China Study Says Bloomerg Businessweek
http://www.businessweek.com/news/2012-06-13/gene-modified-cotton-aids-pest-killing-insects-china-study-says
 (参考文献)
Yanhui L, Kongming W, Yuying J, Yuyuan G, and Nicolas D. Widespread adoption of Bt cotton and insecticide decrease promotes biocontrol services. Nature (2012) http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11153.html?WT.ec_id=NATURE-20120614

米国:アメリカ医師会(AMA)、遺伝子組み換え食品に特別な表示の必要なしと声明

 【記事要約】
 アメリカ医師会(AMA)は、GM食品が従来の食品と比較して成分に差異がなく健康的リスクを示す証拠はないことから、「GM食品に対する特別な表示を支持しない」という声明を出しました。また、AMAはGM食品の商品化に事前の安全性評価は必要であることを付け加えています。AMA理事会のPatrice Harris博士がLos Angels Timesにコメントを寄せています。 
(訳注:アメリカ医師会(AMA)は、米国の医師および医学生で構成され、医の倫理原則および関連する司法上の問題点について分析・調査・整理を行ない、ガイドラインを作成・提示する組織です)

 2012年6月21日 / Los Angeles Times
GMO foods don’t need special label, American Medical Assn. says
http://articles.latimes.com/2012/jun/21/news/la-heb-gmo-foods-medical-association-20120620

海外各国に見る、GM作物栽培の動向  第三回:アルゼンチン (上)

アルゼンチンは世界でも有数のGM作物栽培国のひとつです。アルゼンチンのGM作物生産量は米国・ブラジルに続いて15%を占めており、世界第3位を誇ります。1996年に除草剤耐性大豆の栽培を開始したことを皮切りに、現在では食料・飼料用に21種類のGM作物を栽培しています。 

◇2011年にアルゼンチン国内で栽培された主要なGM作物

  • 大豆:除草剤耐性:国内栽培の約100%がGM品種 (1) 
  • トウモロコシ:害虫抵抗性、除草剤耐性、スタック品種:国内栽培の約85%がGM品種で、そのうち9割がスタック品種 (1) 
  • ワタ:害虫抵抗性、除草剤耐性、スタック品種:国内栽培の約98%がGM品種で、そのうち8割以上がスタック品種 (1) 


<<筆者補足>> アルゼンチンでは、1996年以降のGM作物の急速な普及に伴い、国内の穀物生産が急増しました。大豆を例にとると、GM大豆の栽培が始まった1996年の大豆生産量1,225万トンに対して、2010年には約4.5倍の5,267万トンまで増加しています(1)。アルゼンチンの大豆生産が急拡大した理由には、除草剤耐性大豆の利用により不耕起栽培、少耕起栽培(雑草防除に、従来必要な播種前の耕起を省略した栽培方法。土中の栄養や水分の保全に貢献できる一方で、雑草防除が難しいという一面もある)が容易となり、その結果、一年の間に小麦‐大豆の二毛作ができる(従来は一年に一作)地域が拡大したことが挙げられます。アルゼンチンでは、除草剤耐性大豆の普及により、小麦‐大豆二毛作が可能な地域が増え、同国の大豆生産量を急増させる大きな要因となりました (2)。

(1)  ISAAA Briefs, pp.45-51 (2012)
(2) Trigo EJ. Fifteen Years of Genetically Modified Crops in Argentine Agriculture (2011) 

(次回は、ひきつづきアルゼンチンにおけるGM作物栽培によるベネフィットについて報告します。)