2012年5月17日木曜日

ジェニュイティ・スマートスタックス RIB の販売開始が農業生産者の害虫防除に貢献 (モンサント・カンパニー プレスリリース(2012年4月16日)抜粋)

昨年に試験的に導入され、良い結果を残したジェニュイティ・スマートスタックス RIB(Refugee in the bag:注1)が、トウモロコシ主産地で本格的に販売開始となりました。

昨年度にジェニュイティ・スマートスタックスRIBの栽培を行った生産者からは、従来のスタック品種と比べてジェニュイティ・スマートスタックスRIBが、全体の平均で3.8ブッシェル/エーカー、害虫発生が多い地域では平均8.5ブッシェル/エーカーの収量増に繋がったと報告されています。同様に、緩衝区を別途設定して栽培する必要がない事から緩衝区管理が簡単で利便性が高く、時間の節約になったとの声が寄せられています。

注1) ジェニュイティ・スマートスタックス種子は、トウモロコシの害虫に対して2種類以上の遺伝子を持たせる事で、害虫が抵抗性を獲得するリスクを減少させた品種です。このためジェニュイティ・スマートスタックス種子を用いる際は、緩衝区(Refugee:抵抗性害虫の発生を防ぐために害虫抵抗性でないトウモロコシを栽培する区域)の設置面積比率を従来の20%から5%にする事が出来ます。またジェニュイティ・スマートスタックス RIB (Refugee in the bag)は、ジェニュイティ・スマートスタックス種子に緩衝区用の種子をあらかじめ同梱する事で、緩衝区設置に必要な作業を軽減する事ができる商品です。 モンサント・カンパニーからのプレスリリース全文は以下からご覧いただけます
(英文) http://monsanto.mediaroom.com/genuity-rib-complete-full-season-corn-rootworm-control

ブラジル:利益多い遺伝子組み換え作物  ブラジル業界団体が調査  ブラジル種子生産者協会(ABRASEM)プレスリリース (2012年4月13日)抜粋

【要約】
ブラジル種子生産者協会(ABRASEM)が依頼し、農業経済コンサルタント会社Celeres社が実施した調査によって、ブラジルでの遺伝子組み換え(GM)作物のメリットが報告されました。調査結果によるとブラジルの農業生産者は、GM種子の購入に要する追加費用1ドルに対し、平均でトウモロコシで2.61ドル、大豆で1.59ドル、綿花で3.59ドルの売上高を得ています。農薬の散布が少なく、害虫への耐性が高い事から、農業生産活動に要する水の量が10年間で1,490億リットル減少したこと、農薬散布が減少するのに伴い大気中への二酸化炭素の排出量は380万トン減少した事が分かりました。

詳しくはこちら
2012年4月13日/共同通信PRワイヤー(日本語)ブラジル種子生産者協会(ABRASEM)利益多い遺伝子組み換え作物 ブラジル業界団体が調査
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201204133756/
経済的メリットに関するリポート全文を参照(英文)
http://www.abrasem.com.br/downloads/materias/BiotecAmbiental_ENG.pdf
社会・環境面でのメリットに関するリポート全文を参照(英文)
http://www.abrasem.com.br/downloads/materias/BiotecAmbiental_ENG.pdf

オーストリア:長期給餌試験の結果、遺伝子組み換え食品による悪影響は確認されず(2012年3月21日)

【記事要約】
オーストリア、ウィーン医科大学の研究によると、遺伝子組み換え食品を用いた長期給餌試験の結果(訳注:遺伝子組み換え食品による)悪影響は確認されませんでした。

欧州委員会(European Committee)が3年前から資金を拠出している“GMSAFOODプロジェ クト”の研究者たちは、バイオマーカーを用いる事で、GM作物が、健康へ悪影響をもたら す可能性をより徹底的に調査する事を目標にしてきました。
現在まで、安全性が認可されたGM作物が、人間や動物に悪影響を及ぼすことを示した科学 的証拠はありません。しかし(訳註:EU域内の)市民の公開討論の場などでは、GM作物の 安全性認可手続きに欠陥があるのではないか、との議論が多く出ています。特にオースト リアなどでは、GM作物の長期摂取リスクに関する研究が不十分だと指摘する事で、遺伝子 組み換え技術に批判的な自国の姿勢を正当化しています。
今回、オーストリア、ウィーン医科大学の研究者たちは、GM食品の長期的影響を調査しま したが、悪影響を見つける事はできませんでした。

今回の試験では、GMトウモロコシ(MON810)及びGMインゲンマメを、ブタ、サケ、ネズミ に給餌して、長期的なリスクの可能性が調査されました。一生涯を通じてGM作物が給餌さ れた試験動物にも悪影響は確認されず、GM作物を給餌した試験動物の子孫(後世代)に関 する調査でも、一切の悪影響は確認されませんでした。

EU:EFSA(欧州食品安全機関)が遺伝子組み換えトウモロコシは人の健康、環境 に安全であると再確認、報告(2012年4月12日)

【記事要約】
欧州食品安全機関(EFSA)は、2010年に栽培されたGMトウモロコシのデータを元に、モン サント・カンパニーの遺伝子組み換えトウモロコシMON810は人体、環境にリスクがない事 を再確認したと発表しました。

EFSAの見解原文(EFSA SCIENTIFIC OPINION): EFSA Journal 2012;10(4):2610 http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/2610.pdf 

このEFSAの発表は、昨今のフランスにおけるMON810栽培禁止の取り組みに、影響を与える 可能性があります。フランス政府は2008年に遺伝子組み換えトウモロコシMON810は環境に 深刻なリスクを与えるとして、同国内での栽培を禁止しました。しかし一方で、2011年11 月のフランスの最高裁判所(国務院)から、フランス政府に(遺伝子組み換え)作物の健 康及び、環境へのリスクを裏付ける十分な証拠はないとの判決が出ています。

EFSAは2008年に、MON810に対する最初の肯定的な意見を発表しました。その際にEFSA‐GM Oパネルは、「人間、動物への健康、環境へのリスクに関し、提示された情報の中にはMON 810のリスク評価を無効とする、新しい科学的根拠がない」と、結論付けています。 

2012年4月12日/Food Navigator
EFSA Finds Genetically Modified Maize Safe For Health And Environment
http://www.foodnavigator.com/Legislation/EFSA-finds-genetically-modified-maize-safe-for-health-and-environment