2011年8月1日月曜日

第4回:「単位面積あたりのトウモロコシ収量の比較-米国とEU諸国」

United in growth P.9
http://www.monsanto.com/SiteCollectionDocuments/2010-csr-report.pdf

世界の4大穀物の一つであるトウモロコシ、家畜飼料やコーンスターチの原料として、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなど世界中で栽培されています。しかし栽培方法や用いられる品種、技術普及の差から、単位面積あたりの収穫量(単収)には各国で大きな開きがあります。今回は単収の増加を数字で比較、確認しながら、その背景を見てみます。

  • 世界全体の収量増加の傾向(2000年~2008年)(1)
  • 世界全体の平均ではトウモロコシの収量は1ha当たり673kg増加
  • 米国平均では1ha当たり1,225kg増加
  • EU諸国(27カ国)の平均では1ha当たり367kg増加
  • 高品質な種子の優位性と、今後の世界の農業

なぜ上記の様な差が生じたのでしょうか?米国やEU域内の農業生産者は共に、播種や収穫に用いる近代的な農業機械を利用し、効果的な農場管理手法、最新の肥料を利用出来る程度の規模の優位性を持っています。しかし米国の生産者が雑草防除、害虫防除のために遺伝子組み換え品種を利用してきたのに対し、EUでは規制によってこれらの遺伝子組み換え作物を利用する機会は限られてきました。 米国には「自国の農業生産者に最新の農業技術を利用してもらいたい」という、確固とした政策立案方針があります。この結果、米国にはトウモロコシ栽培に用いられている世界の農地の面積的には20%しかないのにも関わらず、世界のトウモロコシ生産量の40%を生産するようになりました(2)。
私達は、米国で為し遂げられた様な新しい技術の利用が、農業の生産性や持続可能性を向上させると考えています。


参考情報:各国の優良農業生産者におけるトウモロコシ単収の増加量(1)   (2000年~2008年)

遺伝子組み換え品種が広く利用されている国々
  • 南アフリカ : 1.44 トン/ヘクタール
  • 米国 : 1.27 トン/ヘクタール
  • アルゼンチン : 1.26 トン/ヘクタール
  • カナダ : 1.16 トン/ヘクタール
  • ブラジル : 0.97 トン/ヘクタール

遺伝子組み換え品種があまり利用されていない国
  • メキシコ : 0.72 トン/ヘクタール
  • 中国 : 0.55 トン/ヘクタール
  • インド : 0.46 トン/ヘクタール
  • EU27ヶ国 : 0.97 トン/ヘクタール

(1). United States Department of Agriculture Foreign Agriculture Service. Production, supply and distribution online.
http://www.fas.usda.gov/psdonline/psdQuery.aspx(2). National Corn Growers Association. 2010 World of Corn.
http://www.ncga.com/files/pdf/WOC2010.pdf