2013年12月25日水曜日

台風被害を受けたフィリピンへの支援について

モンサント・カンパニーは、台風被害を受けたフィリピンの被災者の方々の支援のため、フィリピン赤十字社に10万ドル(1,000万円)を寄付いたしました。被災された方々に支援が速やかに行き届き、一日も早く復旧、復興されますことを心よりお祈りいたします。

Monsanto Pledges Multi-Stage Support to Aid Philippines, Local Farmers Devastated by Typhoon
http://news.monsanto.com/press-release

モンサント・ビーチェル-ボーローグ国際奨学金プログラムの2013年度受賞式と2014年度の募集について


次世代の世界的なイネ、小麦の育種分野における研究者の育成を目指した、モンサント・ビーチェル-ボーローグ国際奨学金プログラム(MBBISP)の授賞式が、10月15日アイオワ州デモインにて行われました。5年目となる同プログラムでは、新たに10カ国から女性7名、男性5名、計12名の若手育種家が選出され、これでこれまでの受賞者は25 カ国、64 名に及んでいます。また、モンサント・カンパニーのMBBISP への拠出額は累積で1,300 万ドル(1ドル98円換算で、約12億7,400万円)となり、2016年まで継続する予定です。

モンサント・カンパニーからのプレスリリース全文は、以下からご覧いただけます(英文)。

http://news.monsanto.com/press-release/giving/monsantos-beachell-borlaug-international-scholars-program-awards-12-fellowships

なお、2014年度のMBBISP申込期間は、2013年11月1日から2014年2月1日までとなっております。

2014年度の申込みなど、MBBISPプログラムについて詳しくお知りになりたい方、あるいは応募されたい方は、以下をご参照下さい。応募をお待ちしております。

ビーチェル‐ボーローグ国際奨学金プログラム
2014年度 書類受付期間: 2013年11月1日~2014年2月1日迄
日本語: http://www.monsanto.co.jp/responsibility/sustainable-ag/mbbisp-program/
英語: http://www.monsanto.com/improvingagriculture/Pages/beachell-borlaug-international-scholars-program.aspx

モンサント・カンパニーのCCD(蜂群崩壊症候群)への取り組み

モンサント・カンパニーは、ミツバチの健康に関する新たな取り組みを、クリントン・グローバル・イニシアチブ会合の場で発表しました。この取り組みは、Key Stone Center、米国蜂蜜生産者協会( American Honey Producers Association )、米国養蜂協会(American Beekeeping Federation)、世界自然保護基金(WWF)など、関係者と協力して行っているものです。養蜂関係者によれば、CCD(蜂群崩壊症候群)の影響により、2006年から毎冬30パーセント以上のミツバチの群が消失しています。この取り組みでは、
  1. ミツバチの栄養状態の改善、
  2. ミツバチに影響するダニやウィルスを防除する新しい技術への研究投資、
  3. 農薬がミツバチに与える影響の科学的な解明と、農薬の適切な利用方法の農業生産者、養蜂業者への周知、
  4. 養蜂業者への経済的な支援、
を可能にすることが主な優先課題となります。

モンサント・カンパニーからのプレスリリース全文は以下からご覧いただけます(英文)。

http://news.monsanto.com/press-release/research-and-development/monsanto-announces-clinton-global-initiative-commitment-actio

世界食糧賞受賞のRobert Fraley博士、イリノイ大で植物科学分野の女子学生を支援するための奨学金制度に受賞賞金を提供

モンサント・カンパニーと上級副社長兼最高技術責任者であるRobert T. Fraley(ロブ・フレーリー)博士が共同して、イリノイ大学の植物科学分野の女子学生を対象としたFraley-Borlaug(フレーリー・ボーローグ)奨学金制度を設立しました。この奨学金制度は、植物育種とバイオテクノロジーを専攻するイリノイ大学の女子学生を支援するものです。初回寄付金として総額25万ドル(約2,450万円)が提供されます。Robert T. Fraley(ロブ・フレーリー)博士は世界食糧賞の賞金を提供しています。

モンサント・カンパニーからのプレスリリース全文は以下からご覧いただけます(英文)。

http://news.monsanto.com/press-release/giving/world-food-prize-laureate-dr-robert-fraley-donate-award-support-advancement-wom

英国:Food and Chemical Toxicology Journal誌がセラリーニ氏の論文の削除を発表

【記事要約】
出版社であるElsevier社は、科学誌Food and Chemical Toxicology Journal に2012年11月に掲載した、Gilles-Eric Séralini(セラリーニ)教授らの論文「Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize (ラウンドアップ除草剤およびラウンドアップ耐性遺伝子組み換えトウモロコシの長期毒性について)」を削除する発表しました。同誌は、この論文のピアレビュープロセス、実験データを再検討した結果、ラウンドアップおよび遺伝子組み換え作物と実験ラットの死亡率・腫瘍発生との関連性を結論付けるには動物数が少なく、ラットがもともと腫瘍を発生しやすい種類であったことなどから、同誌の掲載基準を満たしていない、と説明しています。

2013年11月28日 / Elsevier(英語)
http://www.elsevier.com/about/press-releases/

米国:遺伝子組み換え食品が安全で、持続可能な環境を作り出すことを示す2,000を越える理由

【記事要約】
イタリアにあるペルージャ大学の生物学者Alessandro Nicoliaが率いるイタリアの科学者グループがGM(遺伝子組み換え)食品の安全性と環境影響に関する1,783件の論文を要約し、「現在までのところGM作物が重大な危険をもたらさした例はない」と結論付けました。
これらの1,783件の論文は、独立した非営利団体BiofortifiedのデータベースGENERA ( Genetic Engineering Risk Atlas ) に統合される予定です。GENERAは2012年に公開され、GM作物に関する遺伝学、家畜飼料学、環境や栄養に対する影響などの分野の査読付き学術論文が登録されています。現在650件以上が登録されていますが、統合によって2,000件を超えるデータベースになります。またその大半の1,000件の論文が、独立した科学者による研究です。
発表したイタリアの科学者グループは「GMO(遺伝子組み換え生物)が特別な脅威という証拠は無く、GMOに対する不信感は心理的影響、政治的影響、間違った論争がもたらしている」と結論付けています。

2013年10月14日 / Forbes(英語)
http://www.forbes.com/sites/jonentine/2013/10/14/2000-reasons-why-gmos-are-safe-to-eat-and-environmentally-sustainable/

ガーナ:遺伝子組み換えササゲ豆の試験栽培が開始される

【記事要約】
ガーナ、トロン地区ニャプカラでは、小規模農業生産者の生計を向上させ、同国の食料確保に貢献すると期待される、害虫抵抗性の遺伝子組み換えササゲ豆の圃場試験が始まりました。
サバンナ農業研究所のIbrahim Dzido Atokple博士によると、「農薬では効果的に害虫を防除できないため、ササゲ豆の農業生産者は相当な収穫量を失っています。これはアフリカの抱える大きな問題です」と述べています。 また同博士によると、この研究はオーストラリアの研究機関とAATF(アフリカ農業技術基金) の官民共同プロジェクトによって実施され、ガーナのほか、ナイジェリア、ブルキナファソの複数の研究施設で試験が行われています。AATFのプロジェクトマネージャーであるAddae博士は、ササゲ豆をガーナの主要穀物と説明しています。

2013年9月19日 / Ghana Business News (英語)
http://www.ghanabusinessnews.com/2013/09/19/gmo-field-trials-for-cowpea-begin-in-northern-ghana/

米国:遺伝子組み換えスイートコーンは殺虫剤使用を削減

【記事要約】
1996年以降、Btトウモロコシ(デントコーン)は家畜の飼料、コーンミール、コーンスターチ、その他の製品の原料として広く使用されています。また、Btスイートコーンの品種は1990年代後半から市販されていますが、栽培面積は比較的少ない状況です。
The Journal of Economic Entomologyに掲載された新しい研究では、Btスイートコーンは、従来のトウモロコシよりも殺虫剤の使用量が少なく、環境により優しいことが示されています。
コーネル大学で昆虫学を専門とするAnthony Shelton教授によると、Btスイートコーンは収量性に優れ、農作物の市場出荷基準を満たすために必要な農薬散布回数が減少ています。2010年のニューヨーク州における実験では、Btスイートコーンでは、無農薬でも99から100パーセントの穂が市場に出荷できる状態であったのに対し、Non-Btスイートコーンの場合は、従来通り8回殺虫剤を散布しても市場に出荷できるのは18パーセントに過ぎず、全く散布しない畑では6パーセントにも及びませんでした。
Btタンパク質を持たせた野菜の利用は、殺虫剤使用量を大きく削減し、殺虫剤使用による農業生産者の農薬暴露リスクや、環境リスクを減らすことが可能です。

2013年10月7日 / Science Daily(英語)
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/10/131007094508.htm

2013年10月10日木曜日

弊社ブログ更新のお知らせ(「遺伝子組み換え作物見学会」のブログ)

日本モンサント株式会社は、今夏も遺伝子組み換え作物の見学会を実施しました。その際の作物の生育状況、参加者の皆様から頂いた感想などを、写真と共に弊社のブログで紹介しております。是非一度、ご覧下さい。

日本モンサント株式会社「遺伝子組み換え作物見学会」のブログ

モンサント・カンパニー、Forbes誌の「革新的企業100社」の34位に選出

この度、モンサントカンパニーは米国のForbes誌において「革新的企業100社」の34位に選出されました。 この評価では、企業が現在携わっているビジネス(製品、サービス、市場)をもとに、投資家が株価の将来性を予測する「イノベーション・プレミアム」という独自の指標によってランキングが作成されています。また、株式時価総額 10億ドル(1ドル=99円として約990億円)以上、売上高の2.5%以上をR&Dに費やし、7年間の公開データがあることが評価対象企業としての条件となっています。

2013年8月21日 / Forbes (英語)
http://www.forbes.com/innovative-companies/

モンサント・カンパニー、モンサント・ビーチェル-ボーローグ国際奨学金プログラム(MBBISP)へ、新たに300万ドル(約3億円)の拠出を発表

モンサント・カンパニーは、次世代の世界的なイネ、小麦の育種分野における研究と研究者の育成を目指した、モンサント・ビーチェル-ボーローグ国際奨学金プログラム(MBBISP) に新たに300 万ドル(約2億9,700万円)を拠出すると表明しました。これまでにMBBISP プログラムは、21 カ国の52 名の学生を支援してきました。今回の追加拠出を合わせると、MBBISP へのモンサントの拠出額は合計1,300 万ドル(約12億8,700万円)となり、2016年まで継続する予定です。なお、2014年度の申込期間は、2013年11月1日から2014年2月1日までとなっております。

モンサント・カンパニーからのプレスリリース全文は以下からご覧いただけます(英文)。
http://news.monsanto.com/press-release/sustainability/monsanto-company-commits-additional-3-million-continue-international-sc

2014年度の申込み等、MBBISPプログラムについて詳しくお知りになりたい方は、以下を参照下さい。

ビーチェル‐ボーローグ国際奨学金プログラム(英語)

2014年度 書類受付期間: 2013年11月1日~2014年2月1日迄
http://www.monsanto.com/improvingagriculture/Pages/beachell-borlaug-international-scholars-program.aspx

スペイン 遺伝子組み換えトウモロコシ栽培面積が20%増加

【記事要約】
スペイン農業省の試算によれば、2013年の遺伝子組換えトウモロコシ(MON810)の栽培面積は、対2012年比で19%増の138,543ヘクタールとなりました。これはスペインのトウモロコシ栽培面積(424,491ヘクタール)の約3分の1に相当する面積です。

2013年8月16日 / Farmers Weekly (英語)
http://www.fwi.co.uk/articles/16/08/2013/140574/spanish-gm-maize-area-increases-by-20.htm

フィリピン「遺伝子組み換えイネ(ゴールデンライス)を破壊したのは誰か」をめぐる真実 (環境活動家マーク・ライナス氏寄稿文)

【寄稿文要約】
 2013年8月に、ニューヨークタイムズ、ニューサイエンティスト、BBCニュースなどのメデイアにおいて、「フィリピンで400人もの怒った農民が、遺伝子組み換えイネ(訳注:ビタミンA含有量を増加させた、ゴールデンライス)の試験圃場を破壊した」というニュースが報道されました。
しかし、その内容は事実とは異なるもので、実際には、「IRRI(International Rice Research Institute: 国際稲研究所)でのイベントに参加するためにバスでやってきた農民がうろたえる横で、遺伝子組み換えに反対する活動家達が穀物を破壊した」というものでした。
ゴールデンライスの試験は、フィリピンの国際稲研究所(IRRI)や公的機関により実施されるプロジェクトであり、将来的には農家へ種子が無償提供され、種子の増殖と栽培が奨励される予定でした。しかし「ゴールデンライスは多国籍企業がフィリピンのコメ市場を乗っ取るのを促すために生産されている」との陰謀説を主張する活動家組織もあり、グリーンピースも「ゴールデンライスは健康面で問題がある」と主張してこの破壊行為を支持しましたが、実際リスクがあるという証拠は何もありません。

このゴールデンライスの試験圃場の破壊は、意味もない多くの死者を生み出す事になるかもしれません。

ゴールデンライスは、遺伝子組み換え技術を使ってビタミンAの前駆体であるベーターカロチンを生産するよう改良されたもので、黄金色をしています。コメに頼って生活する何百万もの貧困諸国の人々は、食事からビタミンAを摂ることが出来ないため、ビタミンA欠乏症により、失明し、死に至っています。世界保健機構(WHO)によると、毎年25万人から50万人の子供が、食事から十分なビタミンAを摂ることができないために失明し、その半分が12か月以内に死に至っている推定しています。また、ビタミンA欠乏症は免疫機能を低下させるため、下痢や麻疹、肺炎のような他の要因からの総合的な死亡率をも引き上げています。これらのビタミンA不足による疾病の犠牲者は、年間で約100万人、一日当たりに換算して約2,700人、そのほとんどが5歳以下の子供であると、推測されています。
世界的なビタミンA欠乏症の解決には、食事の多様化、カプセル状のサプリメントの提供、そして食物の栄養価の強化も大切な戦略である事は、IRRIのホームページにも記載されています。しかし、カプセル状サプリメントの場合、三か月ごとに子供に与えなければならず、物流面で大きな課題となり単独では機能しません。アメリカ科学振興協会の前会長であるニーナ・フェドロフは「ゴールデンライスは、想像できるもっとも直接的な方法、すなわち主食を通して重要な栄養問題を解決しようとするものだ」と述べています。

今回の破壊活動により、圃場試験のやり直しが必要となれば、ゴールデンライスの上市は、何か月も遅れることになるでしょう。活動家たちがさらに妨害を行ったり、プロジェクトを邪魔する戦略をとってくると、それ以上に遅れる可能性もあります。これら活動家たちによって、ゴールデンライスの上市が遅れることになれば、どれくらいの数の子供たちが余計に死ぬことになるでしょうか?遺伝子組み換えに反対する活動家たちがプロジェクトの邪魔をせず、予定通りに計画が進めば、ゴールデンライスはフィリピンで早ければ二年で、その直後にバングラデシュ、インドネシアで入手できるようになります。

遺伝子組み換え作物に反対する活動家が将来的に成功を収めれば、その成功は、これら東南アジアの各地で人目につかず、人里離れた貧困地域で苦しみながら死んでいく子供たちの墓石に刻まれることとなるでしょう。

マーク・ライナス (環境活動家、元GM反対活動家)
2013年8月26日 / Slate (英語)
http://www.slate.com/blogs/future_tense/2013/08/26/golden_rice_attack_in_philippines_anti_gmo_activists_lie_about_protest_and.html

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物の栽培の動向(第11回 ブルキナファソ)

アフリカ西部に位置するブルキナファソは、人口が158万人、その93%が農業従事者という農業国で、GDPにおける農業の割合が28%を占めています(訳注:日本は同1%(1))。
2012年は、ブルキナファソの農家にとって遺伝子組み換え(害虫抵抗性: Bt )ワタ利用の5年目となりました。同国のワタの栽培面積約615,800ヘクタールですが、そのうち51%にあたる約313,800ヘクタールで遺伝子組み換えワタが利用されており、2011年の247,000ヘクタールから27%増加しています。

【従来品種のワタと比較した、遺伝子組み換えワタのベネフィット比較(2)

  • 単位面積あたりの収量が約20%増加
  • 殺虫剤使用回数の減少(6回の散布から2回の散布)、及び労働力の削減
  • ヘクタール当たり収益が50%、金額にして95.35ドル(約9,500円)増加
  • ブルキナファソ全体で推定3,000万ドル(約29.7億円)の農業利益の向上はGDPを上昇させ、利益のうち53 - 67%が農業生産者へ還元(2009-2011年の実績からの試算)



(1)農林水産省 GDP(国内総生産)に関する統計  
(2)ISAAA Briefs, No.44 p.140-144 (2012)

2013年8月19日月曜日

弊社ウェブサイト「遺伝子組み換え小麦に関する情報」開設のお知らせ

オレゴン州の小麦生産者の一圃場で遺伝子組み換え小麦が発見された件については、現在、米国農務省(USDA)による調査が進行中ですが、 モンサント・カンパニーはこの調査に全面的に協力すると同時に日本政府の調査等にも全面的に協力しております。
また、モンサント・カンパニーおよび日本モンサント株式会社では、この件に関し、以下のウェブサイトを設けて情報提供をしておりますので、ご案内いたします。

モンサント・カンパニーウェブサイト:Monsanto and GM Wheat(英語)
日本モンサント株式会社ウェブサイト:遺伝子組み換え小麦に関する情報(日本語)

モンサント・カンパニーRobert・T・Fraley(フレーリー)博士が、2013 年世界食糧 賞を受賞(2013年6月19日付けプレスリリース抜粋)

米国国務省で開催された2013年世界食糧賞の発表記念式典において、モンサント・カンパニーの最高技術責任者(CTO)であるRobert T.Fraley(ロブ・フレーリー)博士が、同賞に選出されました。Fraley 博士の受賞は、植物バイオテクノロジー分野で彼と彼のチームが先駆的に成し遂げた研究と、その成果を農業分野における先進的な育種と作物の改良に適用した事に対してのものです。
世界食糧賞は、ノーベル平和賞を受賞した故Norman Borlaug(ノーマン・ボーローグ)博士によって1987 年に設立され、世界の食糧の質、量あるいは供給を改善することによって、人類の発展に貢献した個人を表彰するための世界でも最高位にある国際的な賞です。Fraley博士は今秋行われる世界食糧賞の授賞式で賞を受賞します。この授賞式はアイオワ州のデモインで10月16日から18日まで開催される、ノーマン・E・ボーローグ国際シンポジウムと同時に行われます。詳しくは以下をご覧下さい。

モンサント・カンパニーのRobert・T・Fraley(フレーリー)博士が2013 年世界食糧賞を受賞

「遺伝子組み換え作物見学会」のブログ 開設のお知らせ

このたび日本モンサント株式会社では、毎夏に行っている遺伝子組み換え作物の展示試験栽培、及び見学会を紹介するブログを開設しました。

日本モンサント株式会社「遺伝子組み換え作物見学会」のブログ
http://monsanto-hojo.blogspot.com/

このブログでは、遺伝子組み換え作物(及び比較のための非遺伝子組み換え作物)の生育や、見学会の様子、参加者の皆様から頂いた感想などを、写真と共に順次ご紹介して行きます。 
今後、コンテンツを充実させて参りますので、是非知り合いの方や遺伝子組み換え作物にご興味をお持ちの方へご紹介下さい。

英国:スーパーマーケット大手4社が、家禽への遺伝子組み換え飼料の利用を許可

【記事要約】
英国の大手スーパーマーケット4社であるTesco (テスコ)、Sainsbury's(セインズベ リー)、Marks and Spencer(マーク&スペンサー)、CO-OP(コープ)は、非遺伝子組み 換え飼料利用の保証が困難になったため、販売する鶏肉や卵を産する鶏に非遺伝子組み換 え飼料だけを使用するという保証を撤回しました。同国の大手スーパーのうち、Asda(ア スダ)と Morrisons(モリソン)はすでに家禽製品へのGM飼料の利用を認めており、Wait rose(ウェイトローズ)だけが遺伝子組み換え飼料の使用禁止を継続しています。

2013年4月12日 / Farmers Guardian Tesco to permit GM feed in poultry rations(英語)

米国:アイダホ州のフライドポテト大手企業が、遺伝子組み換えジャガイモの認可を申請

【記事要約】
フライドポテトの最大手のひとつである、アイダホ州のJ.R. Simplot company (J.R. シ ンプロット・カンパニー) は、遺伝子組み換えジャガイモの承認を申請しました。この遺伝子組み換えジャガイモでは、黒い斑点の発生が減り、調理時のアクリルアミドの生成が減少します。アクリルアミドはジャガイモなどでんぷんを含み高温で調理される多くの食品中に生成され、ヒトには神経毒であり、動物実験では発がん性が疑われています。
なお、J.R. Simplot companyは長年に渡りMcDonalds(マクドナルド)チェーンにフライドポテトを供給しています。

 2012年5月6日  Boise State Public RadioSimplot says it has made a better potato (英語)

インドネシア:遺伝子組み換えサトウキビの大規模栽培に向けた進展

【記事要約】
インドネシア遺伝子組み換え製品バイオセーフティー委員会(KKHPRG)は、インドネシア 国営プランテーション農場、サトウキビプランテーション研究センター(P3GI)、Jember 大学の専門家らが開発した遺伝子組み換え乾燥耐性サトウキビの商業栽培を承認しまし た。この遺伝子組み換え乾燥耐性サトウキビは、現在、野外試験が行われています。
 委員会のメンバーの一人であるBambang Purwantara博士は、「遺伝子組み換えを用いた初 めての主要作物が、乾燥耐性サトウキビである事を誇りに思います」と述べた上で、遅く とも来年中には作付けされる見通しと説明しています。
 KKHPRGは他にも、同じくインドネシア国内で開発された除草剤耐性の遺伝子組み換えサト ウキビの品種についても審査を行っています。

 2013年5月20日 / The Jakarta PostDevelopment underway for first transgenic sugarcane plantation (英語)

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物の栽培の動向(第10回 フィリピン)

フィリピンでは2003年からGMトウモロコシの栽培が始まり、2012年には75万ヘクタールと、 世界12番目の規模で栽培されています。GMトウモロコシの比率は毎年増加傾向にあり、ト ウモロコシ全体の栽培面積が毎年約5パーセントずつ増加するなか、GMトウモロコシは201 1年と比較して2012年では16パーセント増加し、トウモロコシ全体の栽培面積に対して201 2年で59パーセント(2011年:51%)を占めています。 

◇2012年にフィリピンで栽培されているGM作物


  • 害虫抵抗性トウモロコシ
  • 除草剤耐性トウモロコシ
  • 害虫抵抗性/除草剤耐性トウモロコシのスタック品種


 1) 遺伝子組み換えトウモロコシの利用に伴う農業生産者のベネフィットは、2003年から2 011年までの累計で2億6450万ドル(約264億円)、2011年単年を見ても9,360万ドル(約93 億6,000万円)と推定されています。2007年から2008年にかけ9つの地域で実施された調査 では、遺伝子組み換えトウモロコシの収量は、雨季で4-7パーセント、乾季で3-9パーセン ト増加したと報告されています。ISAAA Briefs, No.44 p.125-130 (2013)

2013年4月23日火曜日

英国:GM作物、1996から2011年における世界の社会経済および環境に対する影響

【記事要約】
英国PGエコノミクス社(PG Economics)の経済学者Graham Brookes氏とPeter Barfoot氏は、GM作物が過去16年間(1996~2011年)に経済・環境に及ぼした影響を累積的に定量化した最新の研究を発表しました。研究によると、世界のGM作物の導入により1996年から2011年の間に農薬の使用量が47万3,000トン、CO2排出量は188万6,000トン削減されました。188万6,000トンのCO2とは、83万8,000台の自動車が1年間に排出するCO2の量に相当します。またGM作物の利用により収量が増加し生産コストが低下する事で、16年の間で982億ドル(約9兆5,200億円 1ドル98円換算)のベネフィットが農業生産者へもたらされました。

<この研究結果のサマリーについては、後日、弊社のホームページに日本語訳を掲載予定ですので、掲載後に再度ご案内します>
2013年4月22日 PG Economics Limited
http://www.pgeconomics.co.uk/page/35/

乾燥耐性をもつGenuity ®Drought Guard™ハイブリッド、2013年に米国市場へ展開

モンサントは、3月22日の「世界水の日」にちなんで、2013年に乾燥耐性を持つGenuity DroughtGuard ハイブリッド トウモロコシを米国市場に展開すると発表しました。DEKALB®の乾燥耐性トウモロコシは1970年から販売されていますが、Genuity Drought Guard ハイブリッドは交配育種と農業技術、遺伝子組み換え技術の組み合わせにより、乾燥状況下でも安定収量を期待できます。この商品は、平均1エーカーあたり70~130ブッシェル(約1.8~約3.3トン)の収量しか見込めない西部グレートプレーンズの生産者にメリットを提供することを目標にしています。なお、ここ数年の米国におけるトウモロコシの平均収量は、1エーカーあたり約150ブッシェル(約3.8トン)です。今シーズンは、西グレートプレーンズを対象に初の展開を行う予定です。
2013年3月20日 Genuity Drought Gard Hybrids Launching in the U.S. in 2013
http://www.monsanto.com/products/Pages/droughtgard-hybrids.aspx?WT.mc_id=1_droughtgard(英語)

モンサント・カンパニーがCorporate Citizens Best100に選ばれました

今年で13年目となるCorporate Responsibility (CR) MagazineのCorporate Citizensのベスト100にモンサント・カンパニーが選ばれました。この評価はコンサルティング会社であるIW Financial groupが7つの要素、環境、気候変化、人権、慈善活動、雇用関係、財務、統制において透明性と業績をもとに、ラッセル1000指数(米国における株式時価総額の約92%に相当する)に含まれる企業を対象として査定をおこないました。評価にあたったIW Financial groupは、この調査により企業活動の開示と透明性の向上が促進され、企業と投資家が各指標の重要性を認識しつつあると述べています。
2013年3月9日CR Magazine
http://www.thecro.com/(英語)

米国:全米大豆基金財団、高オレイン酸大豆の開発に資金を投入

【記事要約】
2006年米国トランス脂肪酸の表示義務化に伴い、大豆油産業は他の食用油にシェアを奪われ始めました。そこで全米大豆基金財団は、2020年を目処に高オレイン酸大豆の種子を大豆栽培面積の80%の地域で利用できるようにすることで、シェアを奪回する目標を掲げました。2013年には、高オレイン酸大豆を開発しているデュポン社とモンサント社に対し開発費および市場開拓費用として、合計800万ドル(約7億8400万円)を投入するとしています。高オレイン酸大豆の油は高温状態での安定性が高く、自動車産業や潤滑油産業にも適しているとされています。また、モンサント社の高オレイン酸大豆Vistive ®Gold(ビスティブ ゴールド)は、トランス脂肪酸ゼロ、従来の大豆油と比べて60%以下の飽和脂肪酸を含むといった特性があり、2014年に米国からの輸出が可能になる世界各地の認可を目指しています。
2013年3月12日 Farm Industry News
http://farmindustrynews.com/business/united-soybean-board-infuses-millions-development-high-oleic-soybeans

イタリア:イタリア人の55%がGMの研究を支持し、52%がGM食品を喜んで買う

【記事要約】
ミラノを拠点とする研究所 Institute for Studies on Public Opinion(ISPO)の調査によると、回答者の55%が、自国でGM(遺伝子組み換え)の研究を継続することは有用であるとし、回答者の52%が、将来GM食品を喜んで買うとの結果が得られました。また、好意的な回答の理由として、GM食品のもつ健康上の利点(48%)、続いて、良好な環境が持続できること(37%)、低価格(27%)が続き、その一方で回答者の4分の1が、いかなる条件の下でもGM食品を購入しないとしています。また、回答者の多く(52%)は、GM製品の販売が合法であれば、GM作物の栽培も合法であるとしています。さらに、回答者の56%は、イタリアの農業者がGM作物の栽培を禁止されているのに、他国の農業者がGM作物を栽培し、イタリアで販売することを許可されている状況に不公平感を抱いているとしています。
2012年11月28日 Futuragra
http://www.futuragra.it/index.php?option=com_content&task=view&id=247&Itemid=115 (英語)

米国:ヨーロッパのために育種され、アメリカで育つGMテンサイ

【記事要約】
 欧州委員会共同研究センター( JRC; Joint Research Center )のKoen Dillen氏らは、除草剤耐性テンサイが経済や環境に与える影響の調査を米国にて行いました。調査の結果、ここ2年間で米国における除草剤耐性テンサイが占める栽培面積の割合は、テンサイ栽培面積全体 ( 約49万ヘクタール ) の95%まで到達し、除草剤の使用が40%減少、1ヘクタールで257ドル ( 約25,000円 ) 収益が増加していたことが分かりました。また、著者らはこれらの利点を勘案し、もともと欧州生まれのテンサイが欧州に逆輸入されると予測しています。

2012月12月1日 New Biotechnology vol.30 Issue 2 P131-135 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1871678412008618 (英語)

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物の栽培の動向(第9回 ボリビア)

南アメリカ大陸に位置するボリビアは小さな国ですが、大豆生産においては世界8位の国です。遺伝子組み換え大豆においては、RR®(ラウンドアップ・レディ)大豆が、2011年に910,000ヘクタール栽培されており、これは大豆の栽培総面積に対して92%に相当します。また、2008~2011年でRR大豆の栽培面積の成長率は約50%と、急速な拡大を示しています。政府からの奨励もない中、この様な拡大が見られたのは、RR大豆が従来の大豆よりも高収益が得られるからと考えられています。以下に費用と収益の比較表を示します。
また、あまり知られていませんが、ボリビアでの種子産業は組織化が進んでいるため、認証済みの種の使用が多く、2008年には認証済みの種が75%まで流通しています。従来どおり小規模農業者は大豆の種を自家採種していますが、近年GM種の利点から小規模農業者の間でも、認証済みの種が受け入れられる傾向にあります。
【RR大豆と従来大豆の費用と収益の比較(ヘクタール当り)】
項目 その他の大豆 RR大豆
収量(t/ha)
1.47 1.91
価格($/t)
409.32 398.59
収入($/ha)
600.26 780.83
経費($/ha)
 種
23.46 26.78
 農薬
41.53 32.25
 散布作業人件費
4.98 5.03
 その他の人件費
3.5 2.25
 その他の変動費
114.29 114.11
純利益
412.5 600.41
純利益差額
187.91(約18,415円)

 参考文献:
  1. ISAAA Briefs, No.44 p.138-140 (2012)
  2. AgBioForumI, A Case of Resistance: Herbicide-tolerant Soybeans in Bolivia, Paz et al

2013年3月7日木曜日

モンサント・カンパニー、A Thomson Reuters 2012 Top 100 Global Innovator(トム ソン・ロイター・2012年グローバル・イノベーター・トップ100)を受賞しました (2012年12月4日発表)

モンサント・カンパニーは、Thomson Reuters(トムソン・ロイター)が選ぶ「Top 100 グローバル・イノベーター 2012」を農業・林業部門において受賞しました。この賞は、世界で最も革新的な企業/研究機関を選出するもので、4つの評価軸、「特許数」、「成功率」、「特許ポートフォリオの世界的な広がり」、「引用における特許の影響力」を審査基準とし、世界で最も革新的な企業/研究機関を選出しています。モンサント・カンパニーの受賞にあたっては、遺伝子組み換え作物において、バイオテクノロジーとゲノム技術を種子と除草剤に応用して、農業生産者を支援したとして高く評価されました。

2012年12月4日 THE WORLD’S TOP 100 MOST INNOVATIVE ORGANIZATIONS (Thomson Reuters) http://nxw01.jp/g.php/5Zo315YZcf1R1XwXeY(日本語) http://nxw01.jp/g.php/5Zo315YZcf1R2AwXe8(英語)

バイテク情報普及会がマーク・ライナス氏(Mark Lynas)スピーチ全訳を掲載しまし た

英国の作家で環境保護運動家のマーク・ライナス氏(Mark Lynas)が、オックスフォード農業会議でスピーチで、長年にわたり、遺伝子組み換えに対する反対運動に係ってきたことを謝罪し、世界中で注目を集めたことは前回、海外トピックとしてお知らせしましたが、このほど、バイテク情報普及会が以下のサイトで、スピーチの全訳を掲載しましたので、お知らせします。

2012年1月31日
バイテク情報普及会英国の環境保護運動家マーク・ライナス氏のスピーチ全訳

モンサント・カンパニーが2013 NAFE Top 50 Companies for Executive Women 2013に選ばれました

全米女性企業役員協会(NAFE; The National Association for Female Executives)は選定にあたり、従業員、幹部、重役、高額所得者、主要部部長、CEOへの提案権限、取締役といった指標において、女性従業員が占める割合を基準としています。

モンサントでは、経営幹部の30%を女性が占め、女性従業員に対してもリーダーシップ訓練プログラムや、メンタープログラム、女性独自の情報提供グループや教育支援といった、自己啓発プログラムを提供しています。

2013年2月5日
Working Mother Media (NAFE) 

モンサント・カンパニー、米国公衆衛生キャンペーンの模範企業34社に選ばれました

米国では野菜消費拡大に向け、「Fruits & Veggies More Matters ―果実と野菜をもっと多く摂取することが重要―」と呼びかける食育事業が展開されており、民間連携部門において1991年に非営利団体である健康増進青果財団(PBH; Produce for Better Health Foundation)が設立されました。モンサントはPBHから野菜育種事業での支援を高く評価され、模範企業に選出されるのは今回で2度目となります。

2012年度 模範企業リスト(PBH) 

ISAAA(国際アグリバイオ事業団) 遺伝子組換え作物の商業栽培に関する年次報告(2012年)についてプレスリリース

ISAAA(国際アグリバイオ事業団)は、2月20日、2012年の世界の遺伝子組換え作物の商業栽培状況についてプレスリリースを行いました。

1996年に遺伝子組換え作物の商業栽培が始まって以来、全世界で遺伝子組換え作物の栽培面積は拡大し、2012年には、1996年当時の170万ヘクタールから、100倍もの1億7000万ヘクタールに増加しています。

プレスリリースの内容(英語・日本語)につきましては、こちらをご覧下さい。

2013年2月21日 バイテク情報普及会
ISAAA(国際アグリバイオ事業団)2月20日 プレスリリース 

インド:首相が感情論を廃し科学的議論を求める

【記事要約】
Btナスの商業栽培について国民的議論により決定されたモラトリアム(一時停止)以来、混乱の続くインドですが、沈黙を守ってきたManmohan Singh(マンモハン・シン)首相が、第100回インド科学会議で、「遺伝子組み換えや原発など複雑な問題は感情的要素を廃し、科学的に議論すべきである。インドでは国民所得の持続的な増加を目指しており、科学技術を利用して貧困層との格差を是正することに焦点を当てなければならない」と述べています。

2013年1月3日 THE HinduAgriculture needs scientific debate, not emotion 

ブラジル:遺伝子組み換え作物導入による増収、今後10年も持続が見込まれる

【記事要約】
ブラジル農業コンサルタントCeleres社による「第6回 ブラジルにおけるバイオテクノロ ジー導入が与える経済・社会環境への影響に関する報告書」によると、50ヘクタールの害 虫抵抗性トウモロコシ栽培農家では、1996年に遺伝子組み換え作物を導入して依頼、収量 増加により合計100,400ドル(1ドル90円として約900万円)の増益となっています。国内 で試算される今後10年間の見込み収益は、遺伝子組み換え作物を導入することで1,182億 ドル(約10兆円)、またその82%が農業生産者に還元されると予測しています。この好調 な伸びは、遺伝子組み換えトウモロコシ導入の成功が1つの理由として挙げられています。
ブラジル種子生産者協会(ABRASEM: The Associacao Brasileira de Sementes e Mudas) の会長は、世界的な需要増加を見込んで、競争力のある農業生産を持続することがより重 要になってくると語っています。

2013年1月23日 PR NEWS Wire
Biotechnology guaranteed US$ 100 K to average Brazilian corn growers in four years, according to ABRASEM 

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物の栽培の動向(第8回 中国)

中国では1986年から遺伝子組み換え作物の研究が始まり、遺伝子組換え作物の研究開発を 積極的に推進してきました。現在商業栽培が許可されている遺伝子組み換え作物は、綿花、 パパイヤ、トマト、ポプラ、ピーマン、ペチュニアなどです。(3) 

◇ 2012年 中国国内の遺伝子組み換え作物状況(1) 


・パパイヤ(ウィルス抵抗性): 

2007年から商業栽培されており、現在99%が遺伝子組み 換えパパイヤとなっています。栽培面積は、2010年から15%増加して現在5,300ヘクタール です。

 ・Btワタ(害虫抵抗性): 

1997年から最も栽培されている遺伝子組み換え作物です。その 面積はインド、アメリカに次いで世界第3位、また2011年にはBtワタの導入率は71.5%と、 過去最高を記録しました。増加傾向の背景には、導入後殺虫剤の約 80%、金額にして 1 ヘクタール当たり年間 1,200~1,500 元(1元15円として約18,000円~22,500円)が節約で きるようになった、という収益増加があります。その結果農家の間での需要が高まり、19 99 年頃から大規模に栽培され始めました。 

・Btイネ(害虫抵抗性): 

現在、開発中です。世界一の米生産国で1億7,800万トンを生産、 今後の人口増加ににともない2030年までに2億3,500万トンの需要が見込まれているため、 商品化が急務とされています。

 <補足>

 中国における農業の特徴は、700 万人の小規模農業生産者(農地面積平均 0.5ヘクター ル)を中心とする成長率の大きさで、2000年50万ヘクタールだった遺伝子組み換え作物栽 培面積は、現在約8倍の390万ヘクタールに至っています。また、アメリカ、アルゼンチン、 カナダ、オーストラリア、メキシコと並んで、遺伝子組み換え技術の「創始国」と呼ばれ ており、遺伝子組み換え作物の技術力は、研究開発や圃場試験の段階において世界をリー ドする水準にあります。

 参考文献:
(1)ISAAA Briefs, No.43 p.95-96 (2012)
(2)農林水産省「中国における遺伝子組換え作物の導入と今後の見通し」(PDF)
(3)中国農業科学院植物保護研究所「中国農業遊学情報システム」(2010/09)

2013年1月17日木曜日

モンサント・カンパニー、遺伝子組み換え乾燥耐性トウモロコシ、DroughtGard TM (ドラウトガード)の圃場試験結果を含む、2012年の製品実績データを発表

モンサント・カンパニーの最高技術責任者(CTO)のRobb Fraley (ロブ・フレーリー)博士が、世界で始めての遺伝子組み換え乾燥耐性トウモロコシ、DroughtGard TMの圃場試験結果を含む、モンサント・カンパニーの製品、研究開発パイプラインの2012年実績データを発表しました。
DroughtGard™は、厳しい乾燥に見舞われた2012年栽培シーズンの試験でも高成績を上げ、販売予定の米国西部グレートプレーンズにおいて、競合する他社製品と比較してエーカー(約4,046.9㎡)当たり5ブッシェル(約136kg)以上高い収量を上げました。 また、2009年から一般商業栽培が始まった Genuity(R) Roundup Ready 2 Yield(R)(ジェニュイティ・ラウンドアップ・レディー2 イールド)大豆は、 第一世代のRoundup Ready(R)大豆に比べて収量面での優位性が拡大しており、全米でエーカー(約4,046.9 ㎡)当たり4.5 ブッシェル(約122.5kg)以上も高い収量を達成しました。
また、グリホサートに加えジカンバに対する耐性も付与して、防除が難しい雑草やグリホサートに抵抗性を持つ雑草の防除も可能にしたRoundup Ready(R) Xtend Crop System(ラウンドアップ・レディー・エクステンドクロップシステム)や、種子の収量潜在能力を最大限に発揮させる精密な播種栽培管理法であるIntegrated Farming SystemsTM (インテグレーティド・ファーミングシステム:統合農業システム)など、弊社の研究開発パイプラインの進捗状況や試験データ実績を公表しました。

詳しくは以下をご覧下さい。
日本モンサント株式会社プレスリリース: 「好調な収穫結果が、作物の収量増を牽引する業界リーダーとしてのモンサント・カンパニーを実証」
また、乾燥耐性トウモロコシの栽培試験データに関しては、以下、米国モンサント・カンパニーのホームページ(英文)から詳細をご確認いただけます。
ROOT DIG DEMONSTRATES DEEPER ROOTS, STRONG YIELD ADVANTAGE WITH DEKALB® DROUGHT-TOLERANT CORN 

モンサント・カンパニーが「世界で最も働きがいのあるグローバル企業」世界ランキングにランキングベスト25

モンサント・カンパニーは、Great Place to Work(R) Institute が選ぶ「働きがいのあるグローバル企業世界ランキングベスト25 社」に、14 位で選ばれました。これはモンサント・カンパニーの卓越した企業風土と、「グローバルな就職先」としての評価に対して与えられたものです。
Great Place to Work (R) Instituteは、世界45カ国以上で「働きがいのある会社(Great Place to Work(R) 」を世界共通の基準で調査分析し、一定の基準に達した会社を各国ごとにベストカンパニーとして発表しています。今回発表された「働きがいのあるグローバル企業」世界ランキングベスト25社は、以下の日本語のウェブサイトでもご確認いただけます。
2012年11月15日 「働きがいのあるグローバル企業」世界ランキング発表 (GPTWジャパンHP )  
詳しくは以下をご覧下さい。
モンサント・カンパニーが「世界で最も働きがいのあるグローバル企業」世界ランキングベスト25にランクイン

イギリス:環境活動家Mark Lynas(マーク・ライナス)氏がOxford Farming Conferenceでこれまでの反遺伝子組み換え(GM)活動について謝罪

【記事要約】
1月3日、オックスフォード大学で行われたThe Oxford Farming Conferenceにて、The God Speciesの著者で、反遺伝子組み換え(GM)活動で知られる環境活動家のMark Lynas氏は、これまで反GM活動に関わってきたが、GMテクノロジーは飢餓や環境対策の上で不可欠な技術であると謝罪しました。
同氏は陳謝の理由について、「真実の『科学』を発見したという単純な理由によるものであり、こうした経験を経て、より優れた環境保護運動家になれた、と思っています」と述べています。
Lynas氏はスピーチの中で、同氏がGM技術について誤解したまま科学的なレビューを経た論文等を確認することなく、反GM活動を行ってきたこと、実際に資料を確認したところGMに関する逸話は環境家の間の都市伝説(※訳者註)のようなものであると気づいたこと、実際にはGM作物は農薬を減らすこと、GM技術は大企業だけに利益があると考えていたが実際には農業に必要なコストや労力の削減等につながっており、商品価値があるため利用が広がっていること、試行錯誤の繰り返しでゲノム全体を動かす従来の品種改良に比べて、数個の遺伝子だけを動かすGM技術はより正確で安全であること、などを指摘しました。
また、2050年までに、耕地面積はほとんど変わらない中で、限られた水や肥料等で、約95億人もの人々の食料を生産しなければならない現実を考えたとき、環境保全型の持続可能な農業にGM技術は有用であり、むしろ活動の目的に照らして環境保護家がこの農業技術に反対する理由が分からないと述べています。

※広く口承される噂話のうち、現代発祥で根拠が曖昧・不明であるもの(広辞苑より) 

2013年01月04日各掲載記事
New York Times: http://tinyurl.com/revkin-lynas
Los Angeles Times: http://tinyurl.com/LATimes-Lynas
Nature Conservancy: http://bit.ly/TXXgzL
Discover Magazine: http://tinyurl.com/Discover-Lynas
Fox News: http://tinyurl.com/FoxNews-Lynas
Keith Kloor/Bloomberg:  http://bloom.bg/V4AYOS
Michael Specter/The New Yorker: http://nyr.kr/11azLJc 
【参考】
オックスフォード大学でのMark Lynas氏発言要旨(英語)と動画

スペイン:遺伝子組み換えトウモロコシを利用する農家の経済ベネフィットは、国内全体で1,100万ユーロ(約11億5,000万円)、1ヘクタール当たり95ユーロ(9,975円)と報告

【記事要約】
スペイン国内で害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシを栽培する農業生産者において、この利用により得られた経済的ベネフィット(売上高の増加)は、2012年の一年間で1,100万ユーロ(1ユーロ=105円換算として約11億5,000万円)以上になる事が、Spanish Journal of Agriculture 誌(SJAR)の報告によって明らかとなりました。同報告書は、遺伝子組み換えトウモロコシ利用による売上高増加は、平均で1ヘクタール当たり95ユーロ(同9,975円)と報告しています。
スペインの農業生産者は過去15年間、遺伝子組み換えトウモロコシを活用しており、2012年には過去最高となる113,006ヘクタールで遺伝子組み換えトウモロコシが栽培されました。これはスペイン国内のトウモロコシ栽培面積の30%に相当します。

2012年11月8日 / EurActic.com
The additional gross margin of Spanish farmers that cultivated GM maize during 2012 was over 11 million Euros

イスラエル:世界のエネルギー需要を満たすための、遺伝子組み換え技術を用いた樹木育種と大規模栽培

【記事要約】
 イスラエルの Future Gene社は、通常よりも太く、早く成長する遺伝子組み換えユーカリ の利用により、化石燃料の代替となるユーカリ油によるエネルギー生産が可能と考えてい ます。同社はこれまでの11年間、多くの遺伝子組み換えユーカリやポプラをイスラエル、 中国、ブラジルで、1区画100ヘクタールの規模で野外試験栽培を実施しています。同社の 遺伝子組み換えユーカリは従来の品種に比べて20-30%成長が早く、1年間に5メートルの 速度で成長するため、5年半の間に約27メートルの高さに成長します。
 現在ブラジルでは、同社の遺伝子組み換えユーカリが、商業栽培に向けた規制認可プロセ スの最終段階にあります。生物多様性影響評価書の最終版がブラジル政府に提出され、問 題なく認可された場合、2015年までにこの遺伝子組み換えユーカリの商業栽培が認められ る予定です。 

2012年11月15日 / guardian
The GM tree plantations bred to satisfy the world's energy needs

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物栽培の動向  第7回:カナダ

カナダでは1996年から遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まり、現在は1,040万ヘクタール(2011年)と、世界で5番目の規模で栽培されています。今回はカナダにおける遺伝子組み換え作物の利用状況をご紹介します。

◇ 2011年にカナダ国内で栽培された遺伝子組み換え作物

  •  ナタネ(除草剤耐性):カナダのナタネの栽培面積の約96%が遺伝子組み換え品種(1)
  • 大豆(除草剤耐性):カナダの大豆の栽培面積(主産地のオンタリオ、ケベック州の合計)の約81%が遺伝子組み換え品種(1) 
  • トウモロコシ(害虫抵抗性、除草剤耐性、スタック品種):カナダのトウモロコシの栽培面積(主のオンタリオ、ケベック州の合計)の約93%が遺伝子組み換え品種(1)
  • テンサイ(除草剤耐性):カナダのテンサイの栽培面積の96%が遺伝子組み換え品種(1) 


<日本の食生活とカナダの農業との繫がり>

食用カノーラ油の原料となるナタネの国内生産量は、わずか年間1,950トンです(2)。一方で海外からは年間232万トンのナタネを輸入していますので、日本のナタネ自給率は推定で0.08%と、需要のほぼ全量(99.9%以上)を海外に依存している状況です(2)。輸入ナタネの中でもカナダ産が226万トンと輸入97%を占めていますので(2)、日本で流通、利用されるカノーラ油の約97%が、カナダ産のナタネ由来であると推定され、その96%(ナタネ需要量の93%)が遺伝子組み換えナタネと推定されます。
揚げ物、焼き物など、私たちは日々の食事にカノーラ油をよく使いますので、ナタネの供給が滞れば、私たちの食事に支障が出ることが予想され、遺伝子組み換えナタネが日本の豊かな食卓に欠かせない存在となっていると言えます。

(1)ISAAA Briefs, No.43 p.87-92 (2012)
(2)農林水産省「平成23年産なたねの作付面積及び収穫量(子実用)」
(3)財務省貿易統計(2011全期)