2014年4月11日金曜日

海外各国に見る、遺伝子組み換え作物の栽培の動向(第12回 スペイン)

スペインは、ヨーロッパにおいて先駆的な遺伝子組み換え作物栽培国です。1998 年に害虫抵抗性 Bt トウモ ロコシの栽培利用を開始して以降、16 年の間に次第に普及して、2013 年には、国内の全トウモロコシ栽培 面積の 44 万ヘクタールのうち、過去最高となる約 31%、13 万 7,000 ヘクタールで遺伝子組み換えトウモロコ シが栽培されました。害虫抵抗性トウモロコシの栽培がもたらした農業生産者のベネフィットは 2012 年一年 で 3,720 万ドル(1 ドル 100 円計算で約 37 億円)、利用が開始された 1998 年から 2012 年までの累計で 1 億 7,600 万ドル(176 億円)と推定されています。
現在では、害虫抵抗性の遺伝子組み換え種子について、10 の種子会社から 200 以上のハイブリッド品種 が商業栽培用に提供されています。今後については、害虫抵抗性トウモロコシのさらなる普及、除草剤耐性 など新形質の認可、そして、遺伝子組み換え作物の栽培農業生産者とその他の農業生産者の、「共存」な どに対する政府の積極的、かつ粘り強い取り組みにかかっていると報告されています。

出典:ISAAA Briefs, No.46 p.175-179 (2013)