2014年9月2日火曜日

米国:アメリカを作った木

【記事要約】 アメリカ栗の木は、かつては米国東部の森林の大半を占める樹木でしたが、20世紀前半に中国から(下記訳者註参照)侵入した菌が原因の病気により、現在では絶滅の危機にあります。
過去数年間、米国の植物科学者たちは伝統的な交雑手法を用いて、病気の影響を受けないアメリカ栗品種を開発しようとしてきましたが、なかなか良い品種の開発は出来ませんでした。しかし、コムギ由来の遺伝子を導入することで病気への抵抗性を持つ遺伝子組換えアメリカ栗の木を開発する方法が見つかりました。
この遺伝子組換えアメリカ栗は、過去数年間、野外栽培試験が行われています。米国の環境保護庁、農務省の認可が得られれば、この遺伝子組換えアメリカ栗は野外で栽培されるでしょう。この取り組みは、遺伝子組換え技術を用いて絶滅の危機の種を救う初めてのものです。

(訳者註:Bloomberg View の記事原文では、「中国から侵入した」とありますが、実際には日本から侵入したというのが通説です(下記Scientific American のウェブサイトを参照))

2014年7月4日/Bloomberg View
The Tree That Made America
2014年2月18日/Scientific American
The American Chestnut's Genetic Rebirth